✦たそがれ✦
えっ誰?
学校帰りの夕方に会ったたそがれさん。
何処から来たのか。
どんな物が好きなのか、嫌いなのか。
何にも教えてくれない。
唯一教えてくれたのは名前だけ。
本当に不思議な人だ。
顔がどうしても見えないし。
いつの間にかいなくなっちゃう。
しかも何故か戦争の時に着るような軍服を着ている。
でもある日から突然いなくなった。
何も知らないままいなくなった。
探しても探してもたそがれさんがいない。
でも僕は何故かたそがれさんが
どうしていないのか薄々気付いてた
8月6日なのだから。きっとたそがれさんは──
✦きっと明日も✦
きっと明日も何もできないまま終わる。
なんで?なんて簡単なこと。
誰だって今までずっと抱えて来た嫌なこと
すんなり言えるわけないはずだ。
だって誰にも言えないから抱えてるんだもん。
相当信じれる人じゃないと。
案外、親を信じられない人もそう少なく無いと
自分は思ってる。 勝手にだけどね。
あと親友だってそう簡単に作れない。
もちろん友達も。
で、例え相当信じれる人がいても
自分が抱えてる重荷を
他人に持たせるなんてしたくない優しい人や
受け入れてくれなかったらって
慎重に考えられる人もいる
それに気付いて上げて
重荷を軽くしてあげれる人になりたいね。
✦別れ際に✦
別れ際に声を掛けてしまった。
特に深い理由は無かったが
ただまだ一緒に居たいという一心だった。
それでも君は別れようとする。
そのたびに僕は
まだ一緒に居たいことを精一杯伝えた。
それでも君に僕の言葉や行動はどれも伝わらなかった。
そしてとうとう君は僕の前から消えた。
いや、正確にはこの世から消えた。
僕が一生懸命止めても駄目だった。
僕のせいだ。僕が君を救えなかったから。
ごめんなさい、ごめんなさい。
あぁ、死にたい。
✦声が聞こえる✦
学校は休んだ。今日はプチ鬱。
僕は部屋にこもって勉強していた。
すると誰も居ないはずのドアの向こうから
声が聞こえた。
『ゆいとーいるか?』
そいつはドアを勝手に開けて入って来た。
耳には普通のピアスと安全ピン🧷が付いていて黒髪。
体型も顔も整ってて普通にイケメンでピシッとスーツを着ている。
若い高校生くらいの男性だった。
「はっ誰?」
『俺は天音。お前のイマジナリーフレンドってやつ』
「は?知らねーよそんなの!ってか不法侵入だ!警察行くぞ!?」
『まあまあそんな威嚇しないの。俺は君の頭から来るんだから。』
そんな感じで天音を名乗る奴は頻繁に来るようになったしいつでもどこでも出てくる。
今では兄のような存在だ。存在か?
まあいいや。
って書いてる今も背後から声が聞こえた。
『なんだよそれー。』
「別にかんけーねーし。」
✦秋恋✦
僕は秋に初めて恋をした──
などはなく今まで一度も恋をしたことがない。
別に病んでる訳じゃない。
感情はある。
だが恋というものは
今まで生きてきて感じたことがない。
それでも周りからは
IとKが付き合った。
AがMのこと好きらしい。
など飽きるほど聞く。報告を聞くほど焦る。
恋とはなんなのか。楽しいのか?嬉しいのか?
いつか見つけてみたい。