2/13/2025, 3:10:53 PM
夜明け前に月を追った
ほどかれた夢の中
しじまの波打ち際
温度のない世界であなたの瞳だけ綺麗
絡めた指先の一瞬
例えば、他愛ないハミングさえ
湧き上がる熱
小さな奇跡
僕らは明日死ぬだろう
だけど知っている
変えられるのは未来だけだと
1/24/2025, 6:47:29 AM
愛さなくたっていいの
わたしの胸に宿った
小さな灯りが消えないように
愛されなくたっていいの
過ぎ去った言葉たちに
すがりたくない
怖くてたっていいの
おかしいね
やわらかな罪
きれいじゃないその形に
もう、泣いてしまいたい
#瞳をとじて
1/20/2025, 1:30:28 PM
『幸せになってね私がいなくても』
これは最早呪いでしかない
もう二度と交わることのない道で
途方に暮れている僕を嘲笑う
たくさんのものを置いて舞台を降りた
あなたが遺した馬鹿げた言葉
ふざけるなよ
無様に踠いて
泥臭い方が僕達によく似合う
例えこの選択が間違いだとしても
〈あなたを愛している〉
だから、もう一度手を伸ばす
1/18/2025, 12:39:38 PM
寄る辺ない孤独の中でさえ
あなたが一等美しい
ばら色の稜線
悲しい夜が明けたなら
花びらに似たこの指先を振りほどいて
どうか、
(どうか)
#手のひらの宇宙
11/6/2024, 11:40:04 AM
昨日、君は飛んで天使になった。
廃ビルの屋上。
置き去りにされたボロいパイプ椅子と古ぼけたスチールの灰皿。
あたしは君が半分吸って揉み消した吸い殻に火を付ける。
イヤホンから流れる
君のために書いたヴァース
悲しみの代償
どうせなら下らないって笑って
灰皿を壁に投げつけて手摺りによじ登った。
耳から滑り落ちて、堕ちて
天国なんかじゃなくていい
叫ぶ声は
優しい雨音に包まれて
いつまでも飛べないあたしを笑って
#柔らかい雨