うたた寝

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6/20/2024, 5:58:22 PM


忘れないでと君は言った。
髪の匂い、震える吐息、埋めた中指の熱さ。どれも鮮明に覚えている。その傷跡に口付けをした。

次に目が覚めたら、他人のように笑って。
次に目が覚めたら、絡めた指を振りほどいて。
次に目が覚めたら、要らないものみんな壊してしまおう。

昨日出来た水たまり。
汚れた足首。
糞まみれの中で「ただ愛されたい」だなんてほざいてみる。
もがいていた方が綺麗だって?
そんなのどうだっていい。
全部、ここに置いていく。




♯あなたがいたから

4/7/2024, 4:02:58 PM

目隠しされて冷たい岩の上に横たわる
あなたに言わなければならない
美しい嘘すら波音にさらわれて
口元に微笑をたたえ
静かに還ってゆく

どうか、どうか。
代われるならば僕の
体ごと全部あげるから

涙すら不浄
その抉られた傷の中にさえ
僕はいない

何者も繋ぎ止められない
あなたが居ない明日に
どう意味を見い出せばいい



♯沈む夕日

3/27/2024, 5:40:11 PM

適当でいい
そんな真面目に生きるなよ
潔癖だと辛いだろ
期待することに疲れて
失うことにも慣れて
乾いた笑顔もいらない
神様ならここにいない

一緒に汚れようよ
優しく抱きしめてあげる
何回だって言ってやるから
いつか死ぬぼくらのために

「だから、そこで待っていて」


♯my heart

2/23/2024, 4:47:10 PM

すべて受け入れることが愛だと思っていた。
確かにそんな時期もあったね。
傷跡をなぞる指先はどこまでも優しいくせに、その言葉でぼくを永遠に縛ろうとするから。
悪いけど、もうさよならだ。

(きみのことなんか、早く忘れたい)


♯ love you

2/12/2024, 3:36:23 PM

「ねえ、おいで?」

彼は優しく笑って両手を広げた。
私は思わず怯む。

「ちょっと、みんなにそんなこと言ってるんじゃないでしょうね?」

疑り深い私に、彼は呑気な声で

「大丈夫、僕は君一筋だよー」

と答える。一体どうなんだか。

二人でブランケットにくるまって、ベランダに出た。星がとてもきれいだ。澄んだ空気が、私の肺の中に入って黒いものを少しずつ浄化してくれる。思わず鼻の奥がツンとして、じわりと涙が溢れそうになる。

背後で彼が少し笑った。

「泣いてるの?」
「泣いてない」

「そんな君には、おまじないをしてあげよう〜。ちちんぷいぷい」
「何それ」
「病める時も健やかなる時も〜」
「…ちょっと待って」

抱きしめられる力が強くなった。私は思わず下を向いた。彼は耳元で囁く。

「     」
「…ばか」

我慢できずに私が顔を上げると、はにかんだ様子の彼と目が合った。


♯伝えたい

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