あなたと趣味は合わない
好きなものも、苦手なものも、
ほとんど真逆
でも、それでも
私はあなたが好き
あなたは私が好き
だからかな
今まで苦手だったものが
あなたがあんまりにも楽しそうだから
あなたの頬が優しく緩むから
つられて楽しくなってしまって
好きがどんどん広がって
好きじゃないのに好きになる
私は私が嫌い
あなたはあなたが嫌い
でも、それでも
だんだん だんだん 好きになる
世界平和はどうしたら実現するのか
ヒーローが必要?
違う
ヒーローは確かに平和をもたらす
でもその平和は表面的だ
人間は平和で退屈すると
人間同士で争い始める
一方、
悪役がいる間は、人間同士は休戦し
悪役に一丸となって立ち向かう
もしヒーローが悪役を倒したら
その協力が無くなる
今度は人間同士で争い始める
そうなると収集はつかなくなり
結果平和は崩れさる
歴史はそれを繰り返している
だから
必要なのはヒーローじゃない
悪役だ
ただの悪役は逆効果だ
世界の全ての人から恨まれないといけない
でも与えるのは恐怖だけ
被害を出しすぎれば平和から遠のく
絶対に負けない強さがないといけない
人々が嫌々でも協力しないと倒せない
圧倒的な強さが必要だ
完璧で徹底した、不滅の悪役
それこそ世界平和をもたらす
さて、
ここで一つ疑問
そんな絶対的な悪役は
何のために悪役をするのだろう
全世界にわざわざ恨まれ
恐怖だけで支配し
でも決して壊しすぎない
あまりに計算された悪役
平和のための悪役
世界平和を強く望み
人々を愛し
だからこそ人々に嫌われることを選んだ
あまりに
優しすぎる悪役だね
ブランコは本来
足を離して乗るのが正しい
でも離せない
あまりに不安定で
あまりに高すぎる
だけど足を離さないと
待っている人に怒られる
座るならベンチに行けと
でも私はブランコが好きだから
夜中にブランコに乗る
真っ暗の中一人で
足を地面につけたまま
ゆらゆらゆらゆら
ある日あなたがここに来た
あなたは隣のブランコに座った
あなたは私を見て
なぜ足を離さないのか聞いた
私は少し考えて
怖いからだと答えた
あなたは怒らなかった
あなたはしばらく静かになって
それから煙草をくわえた
あなたも足を離さず
ゆらゆらゆらゆらしていた
私はあなたを見て
なぜ足を離さないのか聞いた
あなたは少し考えて
煙草の火が消えるからだと答えた
二人でゆらゆらゆらゆらしていた
毎夜毎夜そうしていたら
ある日あなたは
煙草を吸わなくなった
私はあなたを見て
なぜ煙草を辞めたのか聞いた
あなたは少し考えて
それからとっても考えて
少し照れくさそうに笑った
“好きな人に
煙を吸わせたくなくなったんだ”
気まぐれに見つけた静かな木
誰も知らない隠れた小道に
ひっそり優しく立っていた
綺麗な葉っぱを見つけて
こっそりそっと、声を吹き込む
“天気がいいね”
“いつ会えるかな”
しっかり包んでこぼさないように
それから優しく吹き抜ける風に
そっと乗せて送り届ける
遠い遠い、大切な人へ
毎日毎日届ける手紙
きらきらの緑の葉っぱは
きっと今頃、とあるお家の扉の前へ
遠く遠くへ、飛んでいけ
あなたは優しい
優しいから、やめろとは言わない
ただ誘うだけ
“今夜いつもの店に行くけど、来るか?”
どんなに私が悩んで
いやでいやで消えてしまいたくても
今夜、消えてしまおうと決めていても
無責任に止めるなんてしなくて
ただ、“次” をくれるだけ
そんな優しさが暖かくて
終わりよりも魅力的で
また欲望に負けて延期する
手すりにかかっていた手は
今夜、いつもの店のドアを押していた