『君と見上げる月...🌙』
「わぁ」
夜空を見上げると満天の星空だった
彼が連れてきてくれたこの場所
お気に入りになっちゃったな
「綺麗でしょ」
彼がそう言う
夜空なんかより私は君が綺麗
そう思っちゃう
彼の顔はどこか寂しげにでも温かい笑みがあった
彼がどこかに行ってしまいそうで怖かった
思わず手を伸ばす
でも私の願いは届かなかった
目が覚めると朝だった
彼がいなくなってしまったアパートは
どこか懐かしげに私を包み込む
そこでやっと私は気がつく
夢だったんだ
『君と見上げる月...🌙』
『空白』
「あれ…?」
私は彼の遺品を整理していると彼の日記を見つけた
ペラペラとページをめくる
ふと気づいた
私と付き合い始めてから空白だった
「えっ…」
日記の最後のページには
彼の自殺計画についてが書いてあった
彼を殺したのは私の愛の重さのせいだったのかもしれない
『空白』
『台風が過ぎ去って』
「あっ…」
ふとスマホを見ると台風が過ぎ去っていた
あんな悲劇を起こした台風がなにごともなかったかのように
過ぎ去っていく
なんて醜い
私には彼しかいなかったのに
もう独り
ひどいよ
私から彼を奪うなんて最低
でもあの人は雨が好きだったな
「もう嫌だ」
私の頭には台風が過ぎ去ってもこの言葉しか頭になかった
『台風が過ぎ去って』
『ひとりきり』
「はぁ」
思わずため息をつく
やっぱきついなぁ
ぼっちって
この道を選んだ私をいつも恨んでいる
でもいつしか声をかけてくれた君が心の支え
名前くらい聞いとけばよかった
ばかだなぁわたし
もう一度会えたら君はなんて言うかな
すこし気になってしまう
いつかは君と会えますように
「よし!」
私はそう自分の足に力を入れ天国への階段を上っていった
『ひとりきり』
『仲間になれなくて』
仲間になれなくてごめん
ずっと前から君のことを見てたのに
見て見ぬふりして
一緒に戦ってあげれなくてごめん
なのに君はいなくなっちゃったよね
私が助けるのがはやかったら
仲間になれたかもしれないのに
来世ではちゃんと一緒にいようね
仲間になろうね
仲間になれなくてごめんね
『仲間になれなくて』