曇り
私は曇り空が好きだ。
何故なら私のこの優柔不断で曖昧な
この心を映しているような気がして
手を繋いで
私の高校生活は充実したものだった。
友達も居たし、部活も楽しかった。
成績も至って普通。大学も希望のところに行くことが決まっている。
が…
『一度も彼氏が出来なかった!』
一度でも良いからそういう相手が欲しかった!
もしそういう相手ができたら言いたかったのに…
「お願い。手を繋いで」
どこ?
私には彼氏がいる。
とってもイケメンでとっても優しい人だ。
だが、最近彼が冷たい。
電話も出てくれないし、家にも帰っていないみたい。
彼の大学に行っても、まるで何かに怯えているように…
今日は私の大学の友達とカフェでお茶をしている。
「ねぇ〜私の彼氏がさ、最近冷たいんだけど、
どうしたら良いのかなぁ?」
「は?そんなことどうでも良いよ!それより、
私の推しのヒロキがさ、ストーカーに遭ってる
みたいなの。ヤバくね?」
「そんなことって…」
私の友達は私の話に興味が無いらしい。
ねぇ、どこに居るの?
“ヒロキ”
叶わぬ夢
『あの時こうすれば…』
『あの時ああすれば…』
こんな事は叶わないって分かってるのに
何故、人は望むのか。
私も望む。
あの時もっと勉強していれば、
今の私じゃ想像のつかない、生活を送れていたのだろう。
花の香りと共に
僕には気になる人が出来た。
彼女は月に一度、同じ日に花を買ってくれる。
僕は今日思い切って聞いてみた。
「お客様、何故毎月同じ日にこの『紫のヒヤシン
ス』の花を買って行かれるのですか?」
「1年前の今日、私の旦那が事故にあったのです。」
「そうなんですね…」
「彼、私の所為でこうなってしまったので…」
僕の恋はこの『紫のヒヤシンス』の香りと共に消え去ってしまったらしい。
紫のヒヤシンスの花言葉
初恋のひたむきさ
ごめんなさい らしいです。