一輪の花
凛としている一輪の花。
でもどこか棘があるように見えるな。
美しくて綺麗なのにどこか欠けている。
まるで人間のようだね。
一輪の花でさえも完璧ではいられないのか。
「魔法」
ある日突然魔法が使えるようになったの。
最初は凄く嬉しくてたくさん色んなことをしてみたの。
だけどね、手に入れたいものがすぐに手に入ったり、やるたいことも簡単にできてつまんないの。
だからね最後に魔法を使う前にお願いしたの。
なんてお願いしたと思う?
それは君の想像に任せるよ。
君とみた虹
雨の中傘もささずに歩いていた。
何も考えずに歩いていたけれど、ふと空を見上げたら雨は止んでいた。
空を見上げたあと、視線を前の道に戻したら君が立っていた。
希望に満ちた目をしながら古いカメラで何かを撮っていた。
カメラの方向を見てみると、虹が見えた。
わたしは思わず呟いた。
「もったいないね。カメラ越しでみる虹よりも今この瞬間でしか味わえないものがあるのに」と。
虹から視線を外し、再び私は前を向いて歩き始めた。
そのあと男の子がそのまま古いカメラで虹を撮り続けていたのかは誰も知らない。
「胸の鼓動」
さっきからやけに心臓の音が速いの。
あなたを目の前にこれが恋なのかな?って錯覚を起こすくらい速いの。
でもね違うんだよね。これは恋なんかじゃない。
言葉にして言おうとした時には私はこの世にはいなかった。
そして貴方は言ったの。
「私の事を誰よりも愛してたから殺した」って。
「踊るように」
音楽に合わせて踊るように身体を回したり、ジャンプをしたりなどしながらスキップするの。
気分が良くて空もすごく綺麗。
でも気づいたら海にいたの。
一度は立ち止まってみたものの誰かに呼ばれた気がしてまた音楽に合わせて踊るようにスキップしながら静かな海の中に消えてくの。
「今度は誰かに愛される人になりたいな」って思いを込めて。