Hikarumori

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1/10/2026, 2:43:23 PM

お題 20歳


 不思議な感覚だと思う。まだ、わからないけれど。
 トンネルを抜けるような感覚なんじゃないんだろうか。

 がたんごとん、がたんごとん、

 列車の進む音だけに耳を傾けているような情景だ。たぶん隣には見知った人たちが座っている。その人たちと他愛のない話をして、くだらなさに笑って、ときに笑われて、突拍子もないくしゃみをした。

 がたんごとん、がたんごとん、

 列車の進む音だけに耳を傾けていたら、いきなりぱぁっと視界いっぱいに光が広がって、思わず目を瞑る。次、目を開いたら列車の外が知らない景色だった。その世界はなぜか妙に色鮮やかに見えて、現実味がないのだ。

 でも、隣には見知った人たちが座っている。
 私はそこで、
 なんだ、トンネルを抜けただけじゃないか、とはにかむ。

 がたんごとん、がたんごとん、

 変わらない、列車の進む音に揺られながら進んでく。



 わたしの20歳がこんなふうに見えたらいいと思う。