お題 20歳
不思議な感覚だと思う。まだ、わからないけれど。
トンネルを抜けるような感覚なんじゃないんだろうか。
がたんごとん、がたんごとん、
列車の進む音だけに耳を傾けているような情景だ。たぶん隣には見知った人たちが座っている。その人たちと他愛のない話をして、くだらなさに笑って、ときに笑われて、突拍子もないくしゃみをした。
がたんごとん、がたんごとん、
列車の進む音だけに耳を傾けていたら、いきなりぱぁっと視界いっぱいに光が広がって、思わず目を瞑る。次、目を開いたら列車の外が知らない景色だった。その世界はなぜか妙に色鮮やかに見えて、現実味がないのだ。
でも、隣には見知った人たちが座っている。
私はそこで、
なんだ、トンネルを抜けただけじゃないか、とはにかむ。
がたんごとん、がたんごとん、
変わらない、列車の進む音に揺られながら進んでく。
わたしの20歳がこんなふうに見えたらいいと思う。
1/10/2026, 2:43:23 PM