地元の街でも、桜が開花した。
「さくら」と名のつく曲はたくさんあるけれど、
フジファブリック「桜の季節」と宇多田ヒカル「桜流し」が特に好きだ。
フジファブリック・志村正彦は「桜の季節過ぎたら遠くの町に行くのかい」と歌いだす。そして、「桜が枯れた頃」という中盤の歌詞も、美しい桜の「いのち」が尽きた状態を想起させて印象的だ。
そして宇多田ヒカルの場合、「桜流し」(つまり、散った桜が水に流れる図の模様のこと)を通して、桜が流れる様子を隣で見ていた「あなた」を失った「わたし」が「あなた」に2度と逢えない苦しみを歌っている。
この2曲に共通するのは「喪失」というテーマだと思う。
「桜が枯れる」、「桜が流れる」。
ともに満開の桜の景色ではなく、「季節の終わり」を予感させるような、センチメンタルな表現を用いている。
「さみしい」という気持ちを、さまざまな情景/心情描写をとおしてひとつの曲として作り上げる才能に感服。
わたしも季節を敏感に感じ取りたいと思った夜であった。
(2023.3.26の日記)
[桜]
自分の葬式では音楽をかけてもらうつもりだ。
まだ先であって欲しいけれど。
あと60年以上かけてどの曲を流すか気長に決めようと思っているが、2025年現在で「絶対に、これは」と決めているものがいくつかある。
キンモクセイ 「さらば」
奥田民生 「遺言」
藤井隆 「ナンダカンダ」
ハンバートハンバート 「大宴会」
ハンバートハンバート 「虎」
RCサクセション 「上を向いて歩こう」
Bette Midler 「The Rose」
宇多田ヒカル 「道」
音楽に救われてきた(救われている)人生なので、
最後の挨拶も、音楽で伝えたいと思う。
(2025.04.01追記)
椎名林檎・東京事変は好きという気持ちが大きすぎて、
昨日はここに書けなかった。でも、今の時点で流して欲しいのは。
椎名林檎 「人生は夢だらけ」
東京事変 「落日」
そして、東京事変の「緑酒」。
この曲を流してちゃんと逝けるように、
人生をまっとうしたい。
[またね!]
全部ぶっ飛んじゃえって呪った2013年3月30日
絶対来月から学校行かないって決めてた2015年3月30日
スーツを着なかった、着る気力がなかった2022年3月30日
感謝してもしても言葉より先に涙が出る2025年3月30日
いつだって春風は吹くけど、
ずっと生ぬるいと感じていたそれ、
変わらなきゃ、と焦りの感情を発生させたそれを、
はじめて暖かく感じた。
きょうは寒かったのに暖かく感じた。
きっとこころのなかに春風が吹いてた。
これは春だ。
新しくなれないまま新しくなろうとする営みを、
諦めずにつづける。
これが春だ。
[春風とともに]
いつか見つかるかな
見つかると良いな
見つけられるかな
見つけるしかないんだ
真っ暗の中でも
[小さな幸せ]
はじめから約束された結末の
あまりに甘美で罪なこと
暁のなか息絶えたきみと血の匂い
抱きしめた感触もろとも脳に焼きつけ
[君と見た景色]