地元の街でも、桜が開花した。
「さくら」と名のつく曲はたくさんあるけれど、
フジファブリック「桜の季節」と宇多田ヒカル「桜流し」が特に好きだ。
フジファブリック・志村正彦は「桜の季節過ぎたら遠くの町に行くのかい」と歌いだす。そして、「桜が枯れた頃」という中盤の歌詞も、美しい桜の「いのち」が尽きた状態を想起させて印象的だ。
そして宇多田ヒカルの場合、「桜流し」(つまり、散った桜が水に流れる図の模様のこと)を通して、桜が流れる様子を隣で見ていた「あなた」を失った「わたし」が「あなた」に2度と逢えない苦しみを歌っている。
この2曲に共通するのは「喪失」というテーマだと思う。
「桜が枯れる」、「桜が流れる」。
ともに満開の桜の景色ではなく、「季節の終わり」を予感させるような、センチメンタルな表現を用いている。
「さみしい」という気持ちを、さまざまな情景/心情描写をとおしてひとつの曲として作り上げる才能に感服。
わたしも季節を敏感に感じ取りたいと思った夜であった。
(2023.3.26の日記)
[桜]
4/4/2025, 2:11:53 PM