2/6/2025, 10:45:05 PM
手の先が凍える空気の中
待ち続ける
両手を顔の前へ持っていき
は、と息を吐くと
白い煙となって消えてゆく
山々が連なる展望台には
自分以外には誰もいない
地平線の先から太陽が顔を出す
あと数時間もすれば
今は暗くとも
段々に高明度となっていくだろう
夜と朝の境界線に立ち会い
今日も生きていく
◆静かな夜明け
2/5/2025, 10:55:55 PM
生まれた場所も違う
言葉も違う
瞳の色も 髪の色も
何もかもが違うけれど
世界の皆と
日本の自分
左の胸に手をあてて
何かを想う気持ちは
きっとみんな一緒だ
◆heart to heart
2/4/2025, 10:35:43 PM
硝子の中に咲く花
花びらは一枚一枚
色鮮やかで
葉脈もしっかり浮き出ていて
茎は端から端まで
まっすぐに伸びている
水を欲することも
枯れることもない
花はこんなにも
彩っているのに
時間だけは
止まっている
◆永遠の花束
2/3/2025, 10:53:23 PM
告白してくれてありがとう
だけど 君とは ずっと
友達でいたいんだ
誰もいない校舎の踊り場で
眉をハの字にさせて
そう言ってくれた彼
いっそ 気持ち悪いと
嫌いだと 言ってくれたなら
良かったのに
君は優しいから
僕にそう言ってくれたんだね
◆やさしくしないで
1/23/2025, 10:55:39 PM
電車にバスに 揺られながら
きまぐれの気ままな一人旅
今日はどこへ向かおうか
この前行ったあそこは
綺麗な景色だったな
あの喫茶店の
コーヒーとサンドイッチは
絶品だった
スマホで検索などの
下調べは あえてしない
本当に 思いつきの旅路
今日はどこへ向かって
何をみて
何を食べて帰ろうか
殆ど誰もいない車内
走る揺れに身体を預けて
ゆっくり目を閉じ
考える
◆瞳を閉じて