しののめ

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12/15/2024, 11:05:32 PM

 この時期の雀は
 まんまるふわふわ

 早朝の冷たい空気
 電柱にはいくつものまんまるが
 飛び立つ

 かじかむ両手を
 厚手のコートに突っ込み
 息を吐く

 自分も雀も
 準備はできている

【雪を待つ】

12/13/2024, 10:26:57 AM

 行きつけのカフェ
 ボックス席が お気に入り

 カウンターでは
 無口なマスターが珈琲を淹れる

 白髪の混じった髪を
 後ろに流し
 顔に刻まれた皺が
 私の倍以上を生きていることを
 教えてくれる

 見た目こそ 無愛想そうな
 マスターだけれど

 私の頼んだ カフェラテには
 いつも ラテアートを描いてくれる

 今日は可愛い
 いぬのイラストだ

【愛を注いで】

12/12/2024, 4:54:46 PM

 寒さで手足がかじかむ
 寒空の下

 白い息を吐きながら
 自販機の前

 あたたかいココアの
 ボタンを押した

 取り出した缶は
 熱くてつい
 宙に浮かしてしまう

 あの人の分の
 ココアも買った
 
 言葉をかわさずとも
 落ち着ける
 あの人と一緒に

【心と心】

12/12/2024, 3:54:57 AM

知っているんだ 俺は

お前は一人で
何かを抱えている時には
大丈夫だ と笑うんだ

普段はつまらないことで
構ってくる癖に

俺は頼りにならないのか

なら勝手にしろ 俺も勝手にする

お前を追いかけて
手を差し伸べてやるんだ


【何でもないフリ】

12/10/2024, 10:59:19 PM

 いつの日にかの教室
 休み時間なので
 騒がしい

 ある数人は
 机を挟んでおしゃべり

 黒板の前で数人が床に座り
 スマホを片手に動画を眺めている

 後ろのロッカー周りでは
 陽気な数人が小突き合いをしてはしゃぐ

 皆 誰かしらと
 語らい 騒ぎ 戯れる

 自分はというと
 席で一人 頬杖をつく

 友人がいない訳ではないが
 何となく 一人でいたい気分

 教室と自分が
 切り取られている この感じに
 浸りたい時がある

 ふと 窓側後方の席に視線を向ける

 あまり接点のないクラスメイトが
 一人 文庫本片手に
 頬杖をつきながら
 窓から見える グラウンドを
 見つめていた

【仲間】

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