泣き疲れて眠ってしまったお前の顔を見つめる。
腫らした瞼に、掠れた目尻や頬。
赤らんだその鼻は詰まってしまったようで、口で寝息をたてている。
俺のためだけに涙を流してくれたお前が、愛おしかった。
多分起きたあと「ひでえ顔してるから」って、しばらく顔を見せてくれないだろうから、今のうちに目に焼き付けておこうと思う。
あどけない寝顔。
泣いたあとだからか、余計に幼く見える。
こんなになるまで耐えさせてしまって、申し訳なかった。
でも、自分があの時した選択も、後悔してない。
起きたら、改めて話そう。
今はとりあえず、寝ているお前を甘やかしたい。
どんな夢を見ているんだろう、また涙がにじんだその目元を、そっと撫でた。
【涙の跡】
え、まっ、またいつか???
明日も明後日も毎日会うのに「またいつか」??
これから一緒に住む自覚持って、ホントに。
【またいつか】
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同棲初日、就寝前のこと。
じゃあ先に翼とか飛べる能力とかください。
【飛べ】
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ロマンも希望もない。
お前といる毎日が特別なので、もしこの特別な日々がなくなったら、責任を全部お前に擦り付けます。
【special day】
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あくまで自分から離れる気はないという物言い。
陽炎に包まれて、お前は立っていた。
お前は涼しそうな顔をしている。
けれど、その首筋を流れる汗が、暑さを物語っていた。
お前の汗が、白い肌が、光を反射する。
白飛びと言ってもいいほどに、光る。
その眩しさは、もはや現実のものではなかった。
頭がふわふわする。
視界はぼやけていくのに、目の前の光から目が離せない。
思考が働かないにも関わらず、あの光に向かってただ足だけが動いた。
その光を掴めないまま、やがて、綺麗な記憶を残して、視界が闇に覆われた。
【真昼の夢】
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診断結果:熱中症
暑さ対策はしっかりしましょう。