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3/22/2025, 10:58:56 AM

いつ死ぬかも分からない環境で生きてきた自分。人生における幸せなど、微塵も期待していなかった。
特に、人間関係の幸せ。

だから、誰と接するときも、毎回、今生の別れをすることを覚悟し、
別れの挨拶も、「じゃあな」と、未練を残さない言い方をしていた。



それなのに。
同じ境遇で生きてきたはずのアイツに出会って、すっかり変わってしまった。

アイツと過ごして初めて、人と別れることに未練を感じた。
それに、アイツは別れる時、明日があることを確信しているような顔で「またな」と言う。
そしてその言葉通り、またアイツに会えることに、幸せを感じてしまって。


いつもどおり「じゃあな」と返したら、二度と会えなくなりそうで。
いつしか別れの挨拶は、未練がましい「またな」に変わった。


【bye bye...】

3/22/2025, 12:28:14 AM

大切な景色の思い出を絵におさめる。
その全てに、君の姿を付け足して。


「全部に描かなくてもいいのに」
と君に言われたけど、
「この絵を未完成のまま終わらせるつもり?」
と返してやった。




【君と見た景色】

3/19/2025, 10:39:29 AM

「大切なものが無くなった」
と言われたので、仕方なく一緒に探すことにした。


家全体をくまなく探す。
普段見ないところまで注意深く見て、ずいぶん長い時間探したのに、一向に「見つかった」と言わない。


「なあ、一体どこにあるんだよ?」
苛立ち混じりに聞いたら、

「ここ」
そう言いながら、抱き締められた。




なんだよ、
人がせっかく苦労して探しまわったのに、
「無くなってなんかねえじゃん…」


【どこ?】

3/18/2025, 11:23:43 AM

自分が言う「大好き」に、どれくらいの気持ちが詰まっているか、アイツは知らないし、
アイツが返す「大好き」に、どれくらいの気持ちが詰まっているか、自分は知らない。


でも、互いにちゃんと想いのこもった「大好き」を持ってる。
その事実だけで十分。



【大好き】

3/17/2025, 12:45:21 PM

友人には、好きな人がいた。
けれどその人は、他に好きな人がいた。
だから、好きな人がうたた寝してるところにそっと告白して、気持ちを諦めた、と。


話す友人は、いつもと変わらない調子だった。




それならと、ある日、机に突っ伏して寝ている友人、もとい、好きな人の耳元で、「愛してる」と呟いてみた。


気持ちは消えなかった。



【叶わぬ夢】

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叶わぬ夢、叶わぬ恋を、諦めるための行動。
けど、それで諦められるなら、苦労してない。

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