透明。
あらゆる他の色を遮らず、存在しているのかしていないのかすら分からない色。
そもそも透明は色なのだろうか。
透明とはなんなのだろうか。
見える透明と見えない透明があるのはなぜだろうか。
宇宙ができる前の世界は、透明だったのだろうか。
透明という概念はいつからあるのだろうか。
答えの出ないことを考えるのはやめよう。
あなたが流す透明の涙が何よりも綺麗だから、なんだっていいじゃないか。
【透明】
真夜中になると、無性に会いたくなる人がいる。
夕方、帰り道で別れたばかりのアイツ。
なんでかは知らない。会いたいから会いたい。それだけ。
けど、突然会いに行っても、どうせ迷惑がられて追い返されるだけだから。
朝が来ればまた会えると言い聞かせて、今日も独り寂しく眠りについた。
【真夜中】
後悔なんて、何度しただろう。
あの時、そばに自分がいれば。
あの時、自分がかばってれば。
あの時、飛び出さなければ。
自分が、こんなに突っ走る性格じゃなければ。
自分の行動のせいで、アイツは何度も傷ついた。
その度に、これ以上ないくらい後悔して、自分を責め続けた。
けど、アイツがちゃんと生きているという事実だけで、その後悔も半減するから、不思議なもんだ。
【後悔】
そよ風。
通りすぎてくそれを感じながら目をつぶる。
ゆらゆら。
さらさら。
体が崩れて、同化して、流れていって…
あっ。ごめん。気づかなかった。
今ね、風になってたの。
【風に身をまかせ】
好きな人に対して、心臓が跳ねる時。
あれは、心臓が「好きだ」って叫んでるんだと思うんだ。
ってことで、オレの心臓の音、聞いてみ?
結構早いっしょ。
今ね、めっちゃ叫んでる。オレの心臓。
そんだけお前のこと好きってこと。
「…それが君の告白?」
「……うん」
「独特な感性だね。しかも君、いきなりこういうことするんだ」
「…ごめん、それは、文脈的に、」
「そういうの、嫌いじゃない」
「!!じゃあ付き合っ」
「それは考えさせて」
「…」
【愛を叫ぶ。】