君を見ていると、なんだかいろんな感情が際限なしに溢れてくるんだ。
言葉には表せる、けど、それだけじゃ足りないような、不思議な気持ち。
胸がドキドキしたり、あったかくなったりするときもあるけど、時々、君が遠くに行ってしまうんじゃないかって、怖くなるときもある。
君は人気者で奔放だから。ずっと自分のそばに引き留めて、自分だけを見ていて欲しいと思ってしまう。さらにその裏に、言葉じゃ満たされない大きな感情がある。
これ、僕が考えるには、依存だと思うんだけど。
君は、僕にこんな気持ち向けられて、どう思った?
歩道と車道を分ける白い線を歩く君にこんなようなことを問うた夏。
【それって、依存ていうか、恋じゃない?それもかなり本気の。キミの言う依存は、それから来てると思うよ。】
セミの鳴き声にかき消されそうな言葉。
「そうなんだ。ごめんね。男に好かれるなんて嫌だよね」
汗ばんだ二人のうなじ。
【あっさりだなあ~、だから不思議な人って言われるんだよキミ。
…でも、決して悪い気はしないよ。キミが、ボクが、男だろうが女だろうが関係ない。
ボクたちがお互いに同じ感情を抱いてるって分かったからね。】
直後に唇に触れた、ぬるくて少し乾いた感触。
その全てを、僕はまだ覚えてる。
_______
【本気の恋】
よく分からない話になった、、
昔よくここで、一緒に貝殻を拾ったよね。
どっちが多く拾えるか勝負したり、お互いに見つけた綺麗な貝殻を交換しあったり。
耳に貝殻を当てて、海の音がするかやった時もあったね。
君と、海の音がするってはしゃいだのをよく覚えてる。
あの時一番海の音がした貝殻、まだとってあるんだ。時が経っても、音が聞こえるかも知れないと思って。時々、耳にあてたりしてた。
でも今は、聞こえなくなっちゃった。海の音も、
君の声も。
今だって、広い海が目の前にあるのに、その波が打ち寄せる音が、全く聞こえない。
嗚呼、また聞きたいな。
貝殻があたってカチャカチャいう音、砂浜を走る音、波が打ち寄せる音、
貝殻から海の音を聞いて、「すごいね」ってはしゃぐ、君の声を。
【貝殻】
酔っ払った勢いで謎に新しくしたらしいLINEのパスワードが分からなくて0000からはじめて今1297通り目。
(物理的に)開けないLINE
不カン全なぼクと、ふ完ぜンな君がイっ緒にナったら。
完全二、なレるかな,
きっと、なれるよ。
きみは話せて、ぼくは自由に体を動かせる。
こんなにお互いの願いを叶えてくれる個体、そうそう出会えないでしょ?
…うン。そウダね.
オいで。一しョになロウ。
言語に欠損があるアンドロイドと、体に欠損があるアンドロイドが一緒になろうとする話。
【不完全な僕】
〔お題:今一番欲しいもの〕
【タイトル:キザ】
「なんか欲しいものある?」
唐突に友人が尋ねてくる。
「なんでや」
「臨時収入(お小遣い)入った。そんで今日は機嫌いいからなんか買ってやろうかと思って」
「あそう…」
少し考えて、そして思い付く。
「で?なんかある?」
前髪をかきあげて、キザっぽく言ってみる。
「…お前の、フッ…心かな」
「は?きも」
「おいおい冗談に決まってんだろ?そんなガチで引いた顔すんなって。マジだったらもうちょっとちゃんと言うわ」
「もうちょっと真面目に考えろよな…あとさ」
「ん?」
「次はもっとちゃんとしたの待ってるから」
「へいへい……………………………ん?」
「てか早く欲しいもん言えよ」
「あっ、あー………ジュース、おごって下さい」
…冗談の、つもりだったん…だ、けど、な…
でも、嫌な気はしない…のは、どうしてだろう。
個人的にこれが一番できがよくてこれ以上のが書けない…( ;∀;)