この町では無いどこか。
私のことを誰も知らない場所へ。
出来るだけ遠くの町へ行きたいなんて子供の頃は思ってた。
でも、大人になるにつれてその気持ちがどんどん薄れて今は逆に離れたくないと思うようになっている。
少しづつ新しい建物がたってきたが小さい頃から変わらない町並み。
すごく安心するんだ。
あぁ、帰ってきたなって。
都会みたいな高層ビルが立ち並ぶ風景と打って変わって高い建物がない広々とした空。
少し行けばきらきらひかる海。
小さい花屋に美味しい魚屋さん。
小路には昔ながらの商店街。
子供だった時には見えなかったものが今は沢山見える。
都会の人はこの町は何にもない田舎かと思うかもしれない。
けど、私は好きだ。
この町が大好きだ。
【遠くの町へ】
遠くの町へ
君は今どこへ旅に出ているのだろう。
決して会えることは無い場所へ君は突然旅立った。
数日前まで隣にいて笑っていたのに。
神様は残酷だ。
私の大好きな人達を丸ごと飲み込んで遠い場所へと連れていった。
実感が湧かなくて涙が出なかった。
悲しいはずなのに、みんなのようには泣けなかった。
これが現実だと思えなかった。
今でも思い出すよ。
君の姿を。
最後に見た冷たい君じゃなくて隣で笑っていた君の姿を。
今もここに君がいると錯覚してしまうよ。
世界中を旅してスラム街でボランティアをしたいって言っていたね。
家族が大好きで小さい頃は1000円札を弟の為に半分にして渡してたっけな。
ねぇ、君は今どこにいるんだろう。
会いたいな。
君の親に言われたんだ。
精一杯生きて人生を全うしたらまた必ず会えるから。
あの子の分まで生きてとは言わない。
ただ、忘れないでやってくれ。
あの子が生きた証を。って。
キミを忘れないよ。絶対に。
忘れてやるもんか。
いつかまた君に会えたらいつものように馬鹿騒ぎしながら笑おう。
当時飲めなかったお酒も一緒に飲みながらさ。
待たせすぎって言われるぐらい長生きする予定だから
もう少しそこで待っててよ。
【君は今】
君は今
空にも気分があって泣いたり笑ったり不機嫌だったり。
雨、晴れ、曇り。
色んな表情を見せてくれる。
でも最近はめっぽう物憂げな空だ。
いつも優しく照らしてくれるお日様を隠している。
そんな時は家でゴロゴロ過ごそう。
雨を弾く屋根の音。
水溜まりに沈んでいく雨粒の音。
そして雨の匂い。
ギリシャ語でペトリコールって言うんだって。
意味は「石のエッセンス」
なかなか洒落てるじゃん?
生き物と同じで空にも気分がある。
それは私たちには変えられない。
いつも眩しく私たちを照らしてくれてるからたまには雨でもいいじゃない。
作物も育ててくれる雨だしさ。
とことん付き合ってあげようじゃない。
私はそんな雨が好き。
物憂げな空が好き。
もちろんお日様も大好きよ。
【物憂げな空】
人間は身勝手で愚かな生き物だ。
森林破壊、地球温暖化、水質汚染、大気汚染、これらの問題で絶滅しそうな動物達。
取り上げたらキリが無い。
私達は今自分の手で自分の住んでいる惑星を破壊している。
確かに私達は進化し続けている。
し続けなければならないと思っている。
だが、本当にそれでいいのか?
それが正解なのか?
無意味な戦争、消費も追いつかないような過剰な生産、不当投棄等
私達はこれらを目にしながら目を逸らしている。
いいのかな。これで。
問題だらけのこの中でこれ以上人間は進化し続けていいのか。
利益や欲のために多少の犠牲は目をつぶっているのか。
これから生まれる無数の小さな命。
未来のために私達が今しなければいけないことを面と向かって向き合わなければいけない。
身勝手で愚かな私達だけど優しさや慈しみも持ち合わせているはずだ。
この問題は私達の最大の課題だ。
重要視しなければならない私達の問題だ。
私のせいじゃないなんて他人事言ってはいられない。
これからする選択によって未来は変わっていく事を忘れてはいけない。
【小さな命】
家族や大切な人のことは愛せるのに自分の事は愛せない。
このままふらっと消えてしまおうという瞬間や衝動が大人になるにつれて増えたけど、人生はあとちょっとだけ頑張ろうの繰り返しで何度も何度も行ったり来たり。
私は1度本気で私を捨てようとした。
でも生きたいともがいた。
生きたいと気づいた。
だから必死に今を生きてる。
後悔することも沢山あるけれどいつか私が私でよかったと思えるように。
誰かに認められるよりも自分で自分を認められるように。
いつか誰かを愛するように自分にILoveYouと言える日が来るように。
今日という日をかみ締めて生きていく。
【𝐼 𝑙𝑜𝑣𝑒 𝑦𝑜𝑢】