『未来』依存
占いなんて信じない、なんて大きく言った割には、見事に占いに翻弄されている。過去の自分が今の自分を見たらどう思うだろうか。
「もう少し待ちなさい、さすれば道は開けるよ」
これが最後、これが最後と心の中で唱える度に、信憑性が高まっていく。泥沼に膝上まで浸かっている状態、まだ抜け出せる。まだ、大丈夫。
『1年前』
今、1年前のことを思い出せるかと聞かれれば、イエスと答えられないと思う。言われればそうだったと思い出すのに、言われなければ思い出せない。
私にとって、1年前とはそんなものだ。
『好きな本』
恋愛、ミステリー、ホラー、ファンタジー。絵本も好きだし、哲学的なのも好き。
それを読んでいる時だけは、現実から目を背けられるから。物語に没頭していると、まるで自分がその登場人物にでもなったような気がして、好き。
幼い頃から本を読み続けているせいで、友達も数少ない。でも、居心地が悪いなんて思ったことは無かった。本だけが、私にとっての生きがいだ。
『あいまいな空』
俺の気持ちは、空と対比している。
俺が悲しい時は空は晴れ、嬉しい時は雨が全てを奪っていく。だからデートの時も毎回雨だったし、別れた時は恨みを覚えそうになるほど快晴だった。
そんな空に、美しいと思ってしまうのが悔しい。
空いっぱいにある星を眺めている時だけは、気持ちは対比していない。その事実が、空に遊ばれているみたいで、素直に嬉しくはなれなかった。
『好き嫌い』
「すき、きらい、すき、きらい」
学校の帰り際、コンクリートの間から育ち伸びている花を見て花占いを思い出した。小学校にやったきり、それ以来一度もやっていないなと思って。
「すき、きらい」
残り一枚になった花弁が、私の心に塩をまく。
「そんな訳ないじゃん」
先日、五年間もずっと好きだった相手に振られた。好きになったのがつい最近だとか、三ヶ月前だとか、それならまだ吹っ切れたかもしれない。
でも、五年。
その数字が私の中でどれだけ大きいのか、理解なんてきっと出来ないだろう。
「返事、待って」
貴方のその言葉が、どれだけ私の心の中にある期待を高揚させただろうか。
ごめんね。
それを言うのに何日もかかるのだろうか。
「、嫌い」
茎を引きちぎり、無惨な姿になったのを見たあと、地面にポトリと落とした。人に見られていたら、なんて考えてると何故か笑いが込み上げてきた。
「は…はは、なんかばかみたい」
花粉に鼻腔をくすぐられ、大きなくしゃみをした。