《この道の先に》
歩いている。
ずっとずっと 長い道を。
先が見えず迷いそうになる度に、
たくさんの方向から光が見えた。
光の意味が無いじゃないか。
ひとつにしてくれよって思いながら歩く。
ほかの光より光って見えた方を目指して歩いた。
目指してる時は、必死だから迷わず歩ける。
けど、結局光が弱まってって
また迷う。
なんで歩いているの?
この道の先に答えはあるの?
自分にそっと聞いてみた。
歩くしかないんだってさ、
じゃあいっそ本気で道の先探してみようか。
《日差し》
僕は日に弱い。肌の病気だと言われた。
実際は違った。全く平気だった。
日光浴にも行ったし、太陽を見つめたりした。
平気だったんだ。
僕が弱いのは心だ。心の病気だったんだ。
だから、日にも当たれない。
だから、誰とも喋れない。
だから、何も感じない。
「ねぇ神様、なんでこんなことするの?」
僕は暖かい日差しを浴びて無気力に笑っていた。
消えかけの心とボロボロな体で。
《窓越しに見えるのは》
カキカキカキ…
はぁ、期末テストとか滅べばいいのに…
数学のテスト中、私はこんなことを考えていた。
勉強が嫌いな訳では無い、むしろ好きな方だ。
テストはなぁ…
私の親は恐らく毒親だ。でも、勉強だけ。
他については普通の親だと思う。
勉強に関する時だけ普段の親から考えられないほど厳しくなる。
『学年一位』
それは私の平凡な脳には難しすぎるはずだった。
死ぬほど勉強させられた。嫌では無いけど、
そのおかげで学年一位も実は簡単だ。
テストは楽しいもんじゃないのか…?
なんか、もうめんどくさくてやんなっちゃう
全問解き終え、見直しも終わった
あとは……
ふと目に外が映った。美しい人がいた。
何故か見とれてしまった。
とても綺麗な顔。
「はやくおいで?」
窓越しに声を掛けられた。
あなたは……?
「大丈夫だよ、」
"運命の赤い糸"
誰しも1度は憧れる「運命の相手」
しかし実際に存在していたら?
自分の好きな人が自分と結ばれる運命ではなく、
自分の嫌いな人と結ばれる運命だったら?
そんな時どうしたらいいのだろうか。
運命なんてもの、ない方がいいと、要らないと、
感じるのではないか?
結局自分が受け入れたいことだけを運命なんて言う
それは、人の我儘の塊だ。
「入道雲」
夏を象徴するような雨雲だ。
人はそれを、時に神秘的。時に恐怖の対象として
昔から愛してきた。
入道雲ってどう思う? ふと、尋ねた
「でっか」「夏を感じる。夏の風物詩。」
その蛙は言った。
蛙をも魅了するその雲は
ただただ美しくぽつんと空に浮かんでいた。