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11/2/2024, 10:44:23 AM

眠りにつく前に…




さよなら

助手席のドアを閉めると

車はゆっくり動き出し

ひとりぼっちの私が立っていた。



あの人と別れた日の

あのシーンが私の中で永遠となった。



もしも来世があるとして

私はあの人と結ばれたいのだろうか?



私が永遠の眠りにつくとき

最後に願うのはなんだろう。

10/28/2024, 2:02:48 PM

暗がりの中で…



長野県に元善光寺というお寺がある。

息子は、小学校の社会見学でそこのお戒壇めぐりをした。


お戒壇は真っ暗だ。

クラス全員がぞろぞろと一列に並んで入った。

息子は出席番号が一番最後だったから、

どんなときにも最後尾だった。


途中で女の子が一人動けなくなってしまった。

暗闇が怖くて足がすくんでしまったのだ。

息子はその子の手を引いて出てきたそうだ。


お戒壇の途中には、「幸福のかぎ」というのがあり、

息子はその女の子と一緒に幸福のかぎを触ったらしい。




さて、その話には、今のところ続きはない。



若い者のロマンスを年寄りは期待するが

まぁ、黙っておくか……

10/22/2024, 1:19:05 PM

衣替え…



ラブラドール雑種の ナナさんは

冬毛がミチミチに生える。


知らないうちにミチミチになるから

いつ生え替わるのかわからない。


ナナさんは 賢いが

バカヤローでもある。


ある春、ナナさんとお散歩をしたときのことだ。

ナナさんのリード紐が私の手から外れた。


一瞬、何が起きたか分からなかった。

それは、ナナさんにとっても同じだった。

ナナさんは、次の瞬間

自分のリード紐をくわえると

一目散に逃げ出した。

紐を引きずって逃げると捕まえやすいが

賢いナナさんは、それを見越してくわえたのだ。


早朝、ナナさんが逃げる、私が追う。

ナナさんは、道の曲がり角では私を待ち

カーブミラーで目が合うと、すかさず逃げた。


くそ~!


力の限り追いかけるが

走力は断然ナナさんが上だった。


あぜ道を跳ねるように走るナナさん。

追いかけて足を滑らせ側溝に落ちた私。


もう無理だ。役場に電話しよう…
(飼い犬の逃走などは役場に通報しなくてはならない)


ふと顔を上げると

紐をくわえたナナさんが駆け寄ってきて

申し訳なさそうに見下ろしていた。




ナナさんとのエピソードは尽きないが

書ききれないので続きはまたの機会にね。

10/20/2024, 12:18:23 PM

始まりはいつも…




空間のゆらぎ

宇宙の始まりはビッグバンだという…



宇宙の終わりは

胸がぎゅーんとして聞きたくない。



こんな夜、私は腹筋運動をしています。

あなたは何をしますか?

10/19/2024, 12:13:57 PM

すれ違い…



まだ未成年だった私は

ある時期、ボウリングにハマっていた。

けれど、なぜボウリングに通っているかわからないくらい

スコアは低かった。


目的はボウリング場の隅にあるジュークボックスだった。

機械にリクエストすると100円で1曲流すことができた。

当時、「異邦人」という曲が大好きだった私は

行くと必ずリクエストを入れていた。

広いフロアに好きな曲を響かせるのは至福だった。




さて、あれから40年…

この頃、80年代のヒット曲特集とかをTVで観た。


寝転んで観ていた夫が言った。

「そういえば異邦人、ボウリング場でよく流れてたなあ」


……あれ?



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