正直…
正直って難しい。
でも、もっと難しいのがウソをつき通すことだ。
私は、ある人に出会ったことで、できる限りウソをつかなくなった。
彼はウソが下手で、でも、つまらないウソをよくついた。
小さな隠し事をするのに小さなウソをつく。
でも支離滅裂ですぐばれる。何よりも挙動不審。
彼のくだらないウソは私を度々怒らせた。
私が彼から学んだのは
すぐバレるつまらないウソはつかない方がいい…ということだ。
生きていれば、どうしても必要な嘘もあるだろう。
そのウソが本当だと思ってもらえるように、
今は正直な人でいよう。
梅雨…
子どもの頃の話だ。
私は虫が好きだった。
雨上がり、光る花にミツバチがとまっていた。
単純にキレイだと思った。
羽をつまんでミツバチを捕まえた。
おや指と人さし指でつまんだミツバチ。
次の瞬間、
ミツバチの腹は信じられない角度に反り返り、私を刺した。
針は、ハチの腹を一節つけたまま私の指に突き立った。
スローモーションのように私はそれを見ていた。
恐怖だった。
刺されたことよりも、
ハチの腹の一部が針と一緒に取れてしまうことに。
ミツバチは死んでしまうのだろう。
ミツバチに心から申し訳なかった。
私は、ハチを手で捕まえてはいけないことを学んだ。
痛みは忘れてしまったが、その時の恐怖は忘れられない。
無垢…
子供は無垢ではない。
私の息子は小学低学年から何年も嫌がらせを受けた。
物が無くなったり汚されたりが頻繁にあった。
担任の先生に相談したら、
先生は朝の会でクラスの皆に聞き、全員がやってないと言うから
「息子さんの自作自演では?」
とのことだった。
表沙汰になったことで、しばらくは問題はおさまった。
しかし、しばらくすると少しずつまた始まった。
もう学校を信じる気持ちになれなかった。
水泳の帽子が無くなったとき、私は自ら学校へ行き
下校の過ぎた学校に侵入して息子の帽子を探した。
「自作自演」の言葉は胸に刺さったまま血を流し続けていた。
私は誰が何を言っても息子を信じていたし、
自分で証拠を見つけなければ解決しないと思っていた。
親の勘をナメてはいけない。
盗んだ子の手提げから
不自然に名前を塗りつぶした帽子を見つけ
そのまま職員室に持って行った。
先生は、困ったような顔をして
「先に相談してくれれば良かったのに」と言った。
言いたいことは山ほどあったが言わなかった。
その後のことは学校に任せた。
結局、問題のある数名を見守るということで決着した。
あとで聞いたところ、被害者は息子以外にも何人か居たようだった。
小学校5年冬、問題の中心になっていた子が転校し
取り巻きの子が児童会長になり嫌がらせはなくなった。
加害の子に罪の意識は無かったかもしれない。
しかし、被害に遭う方は一生引きずることもある。
数年後、加害の子は大学駅伝を走り、村のヒーローとなった。
息子はテレビを観ながら応援していた。
私は複雑な気持ちで息子の背中を見ていた。
なんか、長々と書いてしまいました。
読んでくれてありがとう。
おやすみなさい…
終わりなき旅…
介護に終わりは来る。
果てしもなく続くように感じるときもあるかもしれない。
でも、終わりは来る。
現在、助けてくれるいろんなサービスがある。
私のようにお金が無い者さえも助けてくれる。
どうかひとりで抱え込まないで。
あなたが家族を大切に思うのと同じだけ
あなたは自分を大切にしなくてはならない。
そういうときが来たら思い出してください。
ごめんね…
ごめんねで許してもらえない朝の何かを削って這うかたつむり