「friends」
あの子とは小学校からの友達だった。
でも、大人になって、環境も変わって、考え方も変わった。
それでも、昔の私達ならお互いを尊重出来た。
違う部分が新鮮で、視野が広がって。
決して違いが不愉快ではなかったし、仲違いの原因にもならなかった。
でも何故か今は。
あんなに仲良かったのに、あんなに解り合えたのに。
どうしてこんなに心の距離が離れてしまったんだろう?
どうして、昔みたいに笑い合えなくなってしまったんだろう?
寂しさを抱えながら、でも何処かで大人になるってそんな部分もえるよね、って納得してしまっている自分を感じて。
でも、そうやってお互いに淘汰した中で残っている友達は本当の友達だと思えるから、その本当の友達との絆を大切にしていきたいと思う。
「君が紡ぐ歌」
君が紡ぐ歌は、僕の心に響く。
美辞麗句ではない、普段遣いの言葉なのに、一言一句全てが僕の心に刺さる
きっとそれは、君と僕の感性が似ているからなのだと思う。
そして、共有してきた経験があって、一緒に過ごしたかけがえのない時間があるからだと思う。
君の歌を聴きながら、悲しくなったり、愛しくなったり、懐かしく思ったり。
そして、その度に思い出すのは、いつも君の笑顔。
今は遠く離れてしまったけど、又君に逢いたいよ……
「光と霧の狭間で」
霧の中に光が見える。
でも、霧が濃くて、行く先もわからない。
どちらが正解なのかもわからない。
でも、ここは闇じゃない。
光も見えてる。
だから、私は進む。
自分を信じて。
自分を信じてくれる人を信じて。
「砂時計の音」
音なんて聞こえない筈なのに、サラサラと砂が落ちる音が聞こえる気がする。
あと何分、あと何秒。
制限時間が迫る中、自分の中の焦りが、妙に大きな音になって聞こえる。
落ち着け、私、大丈夫。
自分にそう言い聞かせながら、私はこの試験にかける。
「消えた星図」
地球には地図があり、空には星図がある。
今はナビがあるけど、昔は地図がなかったら道に迷う事も多かった。
星図がなければ航海で迷って、致命的だった。
今はナビもあるし、わからないことは殆どスマホで調べる事が出来る。
便利になったな、と思う反面、すぐに物事が解決してしまうせいで、自分自身でよく考えたりする機会が減ってしまい、待つ事が出来ない人が増えた気がする。
何かの順番待ちもスマホ予約だったり、優先チケットだったり、時間指定だったりで、昔程待たなくなった。
調べ物も、昔は辞書がある場所まで行って調べてたけど、今はその場でスマホで即解決。
待ち合わせも、行き違いとかで連絡したくても相手ももう家を出た後の時間で連絡が取れなくて、相手が来るまで何時間か待つとかもあった。
比べ物にならない位便利になったし、合理的になったと思う。
でも、そのかわりに。
調べる前にその事について思いを馳せたり考えたりする機会を失った。
先を読んで早目に準備するとか、待ち時間があってもしょうがないと思って、待たせる人に対しても寛容になれた心を失った。
待ち合わせ相手が来るまでの、ドキドキする感じとか、相手が来た瞬間の嬉しさとか、そう言う楽しみを失った。
何かを手に入れると、何かを失う事もある。
どちらがより価値があるのかはわからないし、今の便利さを手放せない事も解ってるけど、一抹の寂しさを感じる事も事実で。
そう思う私は古い人間なんだろうけど、でも昔の事も今の事も。
自分が大事だと思える物を大事にして生きていきたいと思う。