「届いて……」
この声が、貴方に届けばいいのに。
どれだけ叫べば、届くの?
どれだけの想いを込めれば、届くの?
何も解らない私は、ただただ叫び続ける。
この、誰も居ない深い森の、穴の中で。
命が尽きるその日まで、叫び続ける。
「あの日の景色」
旅行に行って初めて見る景色。
一本道を間違えて、そのおかげで見つけたキレイな景色。
テレビや本で見た絶景。
年を重ねるにつれて、沢山のキレイな景色や、キレイじゃなくても心に残る景色を見てきた。
でも、どれだけ素晴らしい景色を見ても。
幼い頃に、父の肩車で見た、日頃は見られない様な高くからの景色には敵わない。
遊び疲れて眠りこけ、母に背負われて、目が冷めた時に肩越しに見た景色には敵わない。
ただ真っ直ぐに愛された記憶と共に蘇る、あの日の景色に勝る景色はない。
「願い事」
子供の頃の願いは、大きくなったら好きな仕事がしたい、とか、可愛いお嫁さんになりたい、とか、もっと俗物的にお金持ちになりたいとか、現実味のない事が多かった。
それが思春期になると。
早く大人になりたい、とか、早く家を出たい、とか、彼氏とこのまま仲良く続けたい、とか、少し現実味を帯びてきたけど、でも今思うと、まだまだおままごとの様な願いだった。
そして青年期になると。
仕事の資格を取りたいとか、キャリアや収入アップの為に転職したい、とか、自分の努力次第で手に入れられる事を願う様になった。
そして今は。
色んな経験をして、結婚して子供も生まれ。
努力で手に入れられる物はある程度は手に入れてきた。
そんな私のたった一つの願い事は。
兎に角この子が幸せで居てくれればそれでいいと思う。
自分が年老いて、いつかこの子の足枷になってしまうかもしれない。
それが嫌だから、そうならない様に努力はしてる。
でも、人生はどれだけ準備をしていても、いつ何処で何がどうなるかは解らない。
そんな時でも。
兎に角この子が幸せでさえあれば、それでいい。
この子自身が、幸せだと思える人生を歩んでくればそれでいい。
それが、いい。それしか、ない。
それが今の私の、たった一つの願い事。
「空恋」
あの空の様に、深い気持ちで貴方を想う。
どこまでも高く、どこまでも広く。
雲一つない澄み切った心で、ただただ貴方を想う。
今は晴れていても、曇の日もある。
嵐の日もあれば、晴れたり降ったり目まぐるしく変わる日もある。
でも、貴方が好きで、大切で、愛しく思うこの気持ちはきっと変わらない。
雨や嵐の後は必ず晴れる。
どんな天気になっても、ずっと降り続ける事も荒れ続ける事もない。
いつかは必ず晴れて、澄み切った青空を見る事が出来る。
そんな、見る人をも清々しい気持ちにさせられる様な、キレイな気持ちで、貴方を想っていたい。
心の中にくすんだ気持ちや醜い気持ちもあるけど、それらを律して、胸を張れる自分で貴方を想っていたい。
この空の様に、キレイに恋をしたい。
「波音に耳をすませて」
波音以外に何かに聞こえるのだろうか?
随分昔に聞いた、どこか懐かしいメロディー?
子供の頃に聞いた様な母の子守歌?
それとも、荒々しい自然の脅威?
未来への不安?
歌のない音をどう感じるかは、きっとその時の自分の気持ちを投影していると思う。
楽しい、悲しい、寂しい、不安、期待。
色々な感情が、聞こえる音に乗って自分に襲いかかる。
その襲いかかる感情にキチンと耳を澄ませて、自分を受け止めよう。
受け止めたくない時も、認めたくない時も、自分では気付いていない時もあるかもしれない。
でも、確かにここに存在する自分の気持ちから目を背けず、消化して昇華させよう。
それは、声にならない自分の声だから。
自分を大事にしてあげよう。