「春恋」
新しい年度が始まり、新しい場所での生活が始まる。
周りの人達も初めて会う人も多い。
でも、その中で。
ずっと昔から変わらない貴方の姿を見つけた。
知らない人に揉まれて、どこか居心地が悪そうな貴方。
私の視線になんか気付かずに、下を向いている。
私にとっての貴方はとても大切な人で。
春も、夏も、秋も、冬も。
私はずっと貴方に恋してる。
人の良さも、真面目過ぎな所も、不器用さも。
貴方の全てにずっと恋してる。
いつか、貴方にこの気持ちが伝わると嬉しい。
いつか、この恋が叶うと嬉しい。
春の陽気に紛れて、デートにでも誘おうか?
そんな、有りもしない勇気を胸に、私は今日も貴方を見つめてる。
「未来図」
私の描く未来図の中には必ず貴方が居る。
仕事で悩んだり成功したりする私の話を聞いてくれる貴方。
そして、プロポーズ、結婚式。
いつしか親になり、祖母になり、仕事も退職して、孫守りもして、やがて家族に囲まれての最後。
どんなシーンにも必ず貴方が居る。
私の傍らに寄り添ってくれて、見守ってくれている。
いつか、それが現実になるのだろうか?
思い描いた通りの、幸せな毎日が訪れるのだろうか?
先の事は解らない。
解らないけど、少しでも希望を持っていたいし、夢を見ていたい。
そして、もし。
貴方も同じ様な未来図を描いてくれているなら。
きっと、いつかはこれが現実になる。
そしてその日を夢見て、一生懸命生きて行く。
貴方に依存せずに、キチンと自分の足で立って、貴方に恥ずかしくない私で、一生懸命生きて行く。
「ひとひら」
ひとひらの雪の様に、私の貴方への想いもすぐに消えてなくなってしまえば、こんなに辛い想いをしなかったのに。
いつまでもいつまでも残り続けて、それが辛く、切なく、苦しく、悲しいけど。
でも、一人の人をそこまで愛せた自分が誇らしいのも又真実で。
消せない想いが私を苦しめて。
消えない想いが私を奮い立たせる。
「風景」
何年経っても、忘れられない風景がある。
子供の頃から慣れ親しんだ道。
実家の近くの、畑に咲く花。
大人になって何度か引っ越しもして、色んな所に旅行にも行って。
沢山の風景を見てきたけど、やっぱり何かがあった時に思い出すのは、実家近くの風景。
その風景の中には母が居て、父が居る。
そして何故か、その風景を見ていた筈の私までその中に居る。
きっと、今の私に繋がるものがここにあるから。
今の私を作ったもの。
今の私が安らげる場所。
悩んだ時に、逃げ込みたい場所。
世界には綺麗な風景や珍しい風景が沢山ある。
でも、私にとっては一番大切な風景は。
この心の中にある、母も父も生きているこの風景。
幼い頃の私の、とても幸せな風景。
きっと一生、大切に心に持ち続ける風景。
「君と僕」
世界中で一番近くて、一番遠い君と僕。
物理的には一番近くに居るはずなのに、時々とてつもない距離を感じる。
物理的に離れていれば、逆に感じなくても済む距離感が、側に居る分余計に感じてしまう。
それが、堪らなく切なくて、苦しい。
どうすれば良いかも分からず、ただただ、悲しい。