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2/12/2025, 11:18:15 AM

「未来の記憶」


貴方と子供達が、芝生の上でじゃれ合って転がっている。
私は洗濯とか後の事を考えながらも、何だか泣けてくる位幸せで。
皆笑顔で、これを幸せと呼ばないなら、一体何を幸せと呼ぶのだろう?と思える程の、ただひたすら幸せな時間。

不安も、不満も、何もなく、ただ幸せだけを感じて。

もし私の記憶が全てこんな幸せな、絵画の様な世界なら。
私は悲しむ事も無かっただろう。

でも、時は流れる。良くも悪くも。
幸せな瞬間も、不幸な瞬間も、切り取って永遠に貼り付ける事は出来ない。
現在の、過去のこの記憶を、そのまま未来の記憶には出来ない。

もし、未来の記憶を幸せにしたいなら、兎に角今を幸せにするしかない。
その瞬間の積み重ねが、幸せな未来の記憶に繋がっていくから。
だから、その為に、私は今を懸命に生きる。
この幸せを失わない様に。
指の間から、この幸せが零れ落ちない様に。

2/11/2025, 12:38:37 PM

「ココロ」


手に取れない。
目にも見えない。
色も、形も、触った感じも、全てわからない。

でも、確かに、ここに、私の中にある。
貴方の中にも、あの人の中にも。
全ての人の、生き物の中にある。

大切な、誰にも侵す事の出来ないもの。
誰にも変えられる事はなく、自分だけが育てられる、自分だけがコントロール出来るもの。

2/10/2025, 10:15:27 AM

「星に願って」


もし、星に願って叶えられるなら、私が願いたい事は一つしかない。
もう一度、貴方に逢いたい。

あの頃は毎日が平凡で、明日という日が、今日の続きで自然に来ると思っていた。
変わり映えのない毎日だからこそ、それが幸せで、そんな日が続くと信じていた。
だから、出かけていく貴方に特別な声もかけていない。
伝えたい事もいっぱいあった筈なのに、「今」でなくてもいつでも言えるから、って、何一つ伝えられないまま。

でも、あの貴方は帰って来なかった。
突然知らされた訃報。
耳を疑ったし、理解が追いつかなかった。

いつも通り出かけ、いつも通り帰ってくると思っていた。ううん、そんな事も何も考えない程に当り前の日々だった。
でも、それはあの日に崩れて。

あの日から私は抜け殻で、一歩も進めず。
もがく事も、受け入れる事も出来ず。
毎日をどう過ごしていたかすら忘れてしまって、身動きがとれなくなった。
ただ、貴方の居ない日々を無為に過ごすだけ。

どうしたいとか、どうしようとか、そんな事も考えられず。

ただ、貴方に逢いたい。

逢いたい。愛しい。

……淋しい……悲しい……苦しい……

2/9/2025, 1:48:24 PM

「君の背中」


あんなにちっちゃかった君が、いつの間にか大きくなって。
生まれたての頃は、ママの腕の中にすっぽりと収まっていたのに、いつの間にか大きくなって、収まり切らなくなってきた。

生まれた頃は、ホントにちっちゃくて、可愛くて。
こんなに可愛い物が生き物がこの世にいるものなのか?って思う位だった。
可愛くて、ギュッて抱きしめたいけど、ちっちゃくて壊れそうで、抱きしめるのも怖かった。

でも、今ではすっかりお姉さんになって。
そもそも抱っこさえあまりさせてくれなくなった。
淋しい様な、嬉しい様な。

君はどんな大人になるの?
ママやパパの背中を見て育つの?
そう思うと、君に対して恥ずかしいと思う様な事は出来ないと思うから、自然と背筋の伸びた、キチンとした生き方を選ぶ様になったよ。
君のおかげだね。
君の背中も大きくなって、いつかは親になる。
その時に、誇れる様な背中を見せられる様な大人に、親になって欲しいと思う。

ママやパパが、君に育てて貰った様に。
君も又、周りに育てられてく。
まだまだ道程は長いけど、誇れる背中になれるその日まで、頑張れ。

2/8/2025, 10:23:46 AM

「遠く……」


いつからこんなに貴方との距離が離れてしまったのだろう?

ついこの前までは、ゼロ距離で、貴方の温もりを感じる事が出来ていた。
なのに今は、貴方が横に居ても、心の距離がこんなに遠い。

以前の様に、貴方を感じたい。
貴方の心に触れたい。
貴方の視線に射抜かれたい。

でも、それは今の私には、とても叶いそうもない願いで。
貴方の心は、私じゃない別の誰かを見ているから。
あなたが、とてつもなく遠い。
なのに、貴方は更に遠くへ行こうとしている。

戻りたい、と願っても叶わず。
もう一度、を願っても叶わず。
もう、どうしようもならない。
どうにも出来ない。

でも、私は貴方を諦められから、私はこの辛さを抱えたまま、ここで、ずっと貴方を想っている。
来る筈のない、「いつか」に縋りながら。

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