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「星に願って」


もし、星に願って叶えられるなら、私が願いたい事は一つしかない。
もう一度、貴方に逢いたい。

あの頃は毎日が平凡で、明日という日が、今日の続きで自然に来ると思っていた。
変わり映えのない毎日だからこそ、それが幸せで、そんな日が続くと信じていた。
だから、出かけていく貴方に特別な声もかけていない。
伝えたい事もいっぱいあった筈なのに、「今」でなくてもいつでも言えるから、って、何一つ伝えられないまま。

でも、あの貴方は帰って来なかった。
突然知らされた訃報。
耳を疑ったし、理解が追いつかなかった。

いつも通り出かけ、いつも通り帰ってくると思っていた。ううん、そんな事も何も考えない程に当り前の日々だった。
でも、それはあの日に崩れて。

あの日から私は抜け殻で、一歩も進めず。
もがく事も、受け入れる事も出来ず。
毎日をどう過ごしていたかすら忘れてしまって、身動きがとれなくなった。
ただ、貴方の居ない日々を無為に過ごすだけ。

どうしたいとか、どうしようとか、そんな事も考えられず。

ただ、貴方に逢いたい。

逢いたい。愛しい。

……淋しい……悲しい……苦しい……

2/10/2025, 10:15:27 AM