「涙の理由」
君が泣いているのは、アイツのせい。
君を裏切って、傷つけて。
僕が、君の痛みを代わってあげられたらいいけど。
僕が、君の悲しみを癒してあげられたらいいけど。
僕が、君の辛さを忘れさせてあげられたらいいけど。
でも、どんなに君を想っても。
君を癒せるのは、笑わせれるのは、アイツだけだから。
君は、どんな事をされても、アイツの事が好きだから。
どれだけ泣いても、一晩中僕に愚痴を言いながら泣き明かしても。
それでも君が好きなのは、アイツだから。
君を笑わせられるのは、アイツだから。
君を見ていると痛々しいと思う時もあるけど、でも、僕が大好きな君が選んだ道だから、僕は引き止めない。
君は、君の人生を思う様に生きて欲しい。
僕は、君が疲れた時に、辛い時に少しでも君を癒せる存在であれば、それでいい。
少しでも君の痛みを取り除ける事が出来たら、それでいい。
「一人じゃない。誰かが居てくれる」君がそう思って、少しでも支えになれるなら。
僕の気持なんて、君は知らないままでいい。
ただ、君が幸せであればそれでいい。
相手は僕じゃなくていいから、いつか君の涙の理由が、幸せの涙に変わるなら、それでいい。
大好きな君が幸せなら、それでいい。
それが、いい。
「ココロオドル」
急遽明日はお休みになった。何をしようかな?
いつもは家事とか、仕事の日に出来ない雑務とか、とにかく何かやらなければならない事に追われるけど、でも明日は。
予定のない、やらなければならない事のない休日。
自分の為だけに使える日。
何をしようかな?
一人映画?一人カラオケ?美術館や博物館もいいな。
ピアノを弾きまくるのもいいし、好きな音楽を聴きまくるのもいいかも。
どうしよう、何か考えるだけで心躍るし、ウキウキが止まらない。
多分、こうやって考えてる時が一番いい時間なんだよね。
だから、もう少し考えて、この時間も楽しもう。
そして、明日はもっと楽しもう!!
「束の間の休息」
毎日が時間に追われてる。
仕事、家事、子供の世話、夫の世話、町内や学校の仕事、実家の用事、書類とか提出物の確認や記入。
1日は24時間じゃ足りないよね?
自分が何人かいればいいのに、とか、1日がせめて30時間あれば自由時間もあるかも、とか、夢みたい事を考えたりして。
でも、限られた時間だからこそ、大切に思える。
束の間の休息が凄く貴重で、有り難くて。
休憩とか自由時間が多いと、嬉しいけどダラダラしてしまって、結果余り有意義に使えなかったりしてしまう。
だから、ないモノもねだりはしないで、今この時間も含めて、楽しみたい。
って自分に言い聞かせたけど、やっぱりもうちょっとだけ時間、欲しいかな?
「力をこめて」
この指に力をこめれば。
そしたら、貴方は永遠に私だけのモノになる。
誰も触れない、話せない、見ることも出来ない。
私だけの貴方になる。
鍛えられた筋肉。筋張った首。
私の指の下でドクドクと脈打ってる。
力をこめれば、この脈打つ動きは止まる。
閉じられた瞳、少し開いた口元。
意識がなくても、整った顔。
力をこめれば、その瞳は二度と何も映さなくなる。
その唇は、言葉を紡がなくなる。
他の子に愛を囁く事も出来なくなる。
貴方が起きる前に。今の内に。
私の中の悪魔が囁く。
少し、この指に力をこめるだけ。
そしたら、貴方はもう誰のモノにもなれない。
私の元にずっと居ることになる。
私だけの、貴方になる。
······これでもう、貴方は私だけのモノ……
「過ぎた日を想う」
振り返っても、後悔しても、あの日には戻れない。
あの時こうしたら。もしこう言えば。
タラレバはキリがなくて、後悔ばかりの日々。
あの時、貴方を引き止めたかった。
「別れたくない」「私を選んで」「あの娘の所になんか行かないで」
溢れる言葉は沢山あったのに、何一つ言えなかった。
多分、私が引き止めれば貴方は私を選んでくれた。
「俺と一緒に···」その続きを飲み込ませたのは私。
だって、私は貴方が居なくても生きていけるから。
貴方が居なかったら、辛いけど、でも笑えるし、自分の人生を楽しめる。
でもあの娘は、私が持っていない、儚さと、危うさを抱えてる。
精一杯強がってるけど、貴方が居ないと駄目で。
愛情だか、依存だか、独占欲だか。
何なのかはわからない。
でも、貴方が居ないと駄目な事は確かで。
だから、言えない。言えなかった。
「私は大丈夫だから、行ってあげて。」
貴方は言葉を飲み込んで。でも、一言だけ。
「オマエはいつもそうやな」
責めるように、諦めるように。
私も、貴方も、沢山の言葉や気持を飲み込んだ。
不器用だったけど、精一杯誠実であろうとした。
今振り返ると、実はあの娘は意外としたたかだし、私も決して強い人間ではなかった。
でも、人を犠牲にする自分でいるか、貴方と居ることを選ぶか、って言われたら。
きっと毎回葛藤する。悩んで、苦しんで、泣いて。
でも、毎回同じ道を選ぶと思う。
絶対に後悔はするけど。せめて自分の気持位は伝えたいって思うけど。伝えるべきだと思うけど。
でも、過ぎた日を想う時に、自分を好きでいたいから。誇れる自分でいたいから。
だから、私はきっと同じ道を選ぶ。