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「過ぎた日を想う」


振り返っても、後悔しても、あの日には戻れない。

あの時こうしたら。もしこう言えば。
タラレバはキリがなくて、後悔ばかりの日々。

あの時、貴方を引き止めたかった。

「別れたくない」「私を選んで」「あの娘の所になんか行かないで」

溢れる言葉は沢山あったのに、何一つ言えなかった。

多分、私が引き止めれば貴方は私を選んでくれた。
「俺と一緒に···」その続きを飲み込ませたのは私。

だって、私は貴方が居なくても生きていけるから。
貴方が居なかったら、辛いけど、でも笑えるし、自分の人生を楽しめる。

でもあの娘は、私が持っていない、儚さと、危うさを抱えてる。
精一杯強がってるけど、貴方が居ないと駄目で。
愛情だか、依存だか、独占欲だか。
何なのかはわからない。
でも、貴方が居ないと駄目な事は確かで。

だから、言えない。言えなかった。

「私は大丈夫だから、行ってあげて。」
貴方は言葉を飲み込んで。でも、一言だけ。
「オマエはいつもそうやな」

責めるように、諦めるように。

私も、貴方も、沢山の言葉や気持を飲み込んだ。
不器用だったけど、精一杯誠実であろうとした。

今振り返ると、実はあの娘は意外としたたかだし、私も決して強い人間ではなかった。
でも、人を犠牲にする自分でいるか、貴方と居ることを選ぶか、って言われたら。

きっと毎回葛藤する。悩んで、苦しんで、泣いて。
でも、毎回同じ道を選ぶと思う。
絶対に後悔はするけど。せめて自分の気持位は伝えたいって思うけど。伝えるべきだと思うけど。

でも、過ぎた日を想う時に、自分を好きでいたいから。誇れる自分でいたいから。

だから、私はきっと同じ道を選ぶ。

10/6/2024, 11:09:34 AM