パラレルワールド
向こう側の世界では、私はどんな人間だろうか。
どんな仕事をして、どんな生活をしているだろうか。
向こう側の世界は、どのくらいこっちとちがうんだろうか。
願わくば、戦争もなく、競争もなく、自分を蔑むこともなく、穏やかに暮らせていたらいいな。
もし一瞬でもお互いの世界が垣間見れることがあったら、向こう側の私が「あっちの世界もいいなぁ」と思えるような世界になるといいな。
お互いに頑張ろうね!
僕と一緒に
僕と一緒に笑ってくれないかい?
ただ、それだけでいいからさ。
無理してごはん作らなくていいよ。
遊園地に行けなくてもいいよ。
そりゃあ、友達はいろんなゲーム持っててさ。
夏休みはどこそこに行ったとか聞けばうらやましいとは思うよ。
でもさ、でもさ、それよりも!
僕はさ、ふとした時間に僕とゴロゴロしてくれて、僕のやってることを見て笑ってくれて、そうするとなんともいえない幸せな気分になるんだよ。
僕はここにいてよかったと、心の中がじんわりあったかくなるんだよ。
それは、あなたにしかできないことで、僕が普段言い出せないことなんだよ。
秋になって少しはやく日が沈むようになると、15時くらいから何だか寂しい気持ちになるけど、今日はあなたが笑っていたから全然寂しくなかったよ!
だから、お願い!
僕と一緒に笑ってて。お母さん。
cloudy
秋になると曇りの日が増える。
春も多い気がする。
桜や彼岸花は青空との色のコントラストが美しいけど、いざ見に行こうとすると曇りの日が多い。
そこで少し残念な気持ちになるのだが、彼らにしてみればどうでいい話だ。
曇りだろうが、晴れだろうが、雨だろうが、雪だろうが彼らにはなんの変わりもない。
ただ、季節がやってきたら咲いて、勝手に騒ぎ立てる人間を楽しませてくれている。
今年最初に見た彼岸花は曇りの日だった。
写真を撮りながら、晴れてたら良かったなーと思ってしまう自分は彼らから見たらエゴの固まりなんだろうな。
「はんっ、そんなの関係ないわよ、私はいつでも美しいのよ」
と真紅の花に言われた気がして、思わず手を合わせた。
今年もありがとうございます。
しばらくお姿楽しませていただきます!
秋色
南国の秋は短い。
夏と冬が近すぎるのだ。
南国生まれではない母は、いつも「秋がない」と嘆いていた。
それでも道端に彼岸花が咲きはじめ、金木犀が空気を香りで覆う。
イチョウが色付いて、金色の絨毯が広がる。
夏とも冬とも違う、なんともいえない一瞬の陽気。
日が暮れるのが早くなり、夕焼けの色が濃くなる。
なぜか穏やかな気持ちにはならず、少し焦りを覚えて落ち着かない季節。
秋色に染まる世界は美しいけれど、どっちに行ったらいいのか分からず戸惑ってしまう。
でも、嫌いではないんだよ。
今年も暑さをぬけ始めた。
もうすぐ来る秋をドキドキしながら今年も待っている。
靴紐
靴紐を結べるようになった時は嬉しかった。
きれいに結べることを誰かに自慢したくて仕方なかった。ほどけない結び方は?とか色々考えながら結んでいた気がする。
紐の靴に慣れてからは、マジックテープは履かなくなった。高校生までは、いつも紐のスニーカーを履いていた。
でも、大人になると自分の靴箱には紐の靴が見当たらない。
スリッポンやブーツ、サンダル。
スニーカーも紐のないものばかり。
いつのまにか簡単に履けるものばかりになっている。
なんだ、せっかくできるようになったのに怠けているな。
次回は紐の靴を買うことにしよう。