孤爪研磨という男の、私の恋人だった人との関係は、徐々に劣悪になっていった。
私は高校の時から研磨と付き合っていた。
彼と出会った当初はミステリアスで何を考えているか分からないと思うことが多々あったが、そこに魅力を感じた。
だが、一緒にいるにつれて、よく思っていることが顔に出ていたり、嘘を吐くのが案外下手くそだったり、それでも私のことを彼は不器用ながらに想っていてくれていたと感じることが多かった。
しかし、大学生になったある日から穏やかな私の心は一変した。
彼は、ゲーム配信者になり、また1企業の社長ともなり、また株で稼ぐといった様々な顔を持つ有名人となってしまったからだ。
そこから、リア恋勢が多数、Twitterに呟いていたり、匂わせなどしていて…見ていてとても気持ち悪かった。
また、彼はそれらの対応が面倒くさかったんだろうな。
何も対処をしていなくて本当にイライラした。
そのことがきっかけでこの人といることが嫌で嫌でたまらないと感じることが増えた。
最初の頃は一緒に入れることが幸せだと感じていたのに。
…色々の説明は省くが、好きよりも嫌いが上回ってしまったから。
私は彼に別れ話をした。
案の定、彼はびっくりしていたが、頷いた。
引き止めて欲しい気持ちとすんなり頷いてくれてありがたい気持ちが渦巻いていて私の心は気持ち悪かった。
世界の終わりに君と
世界の終わりに君と抱きしめあって、キスして、交じり合う。
嫌がらないでよ笑
絶対に。
…だってお互い最期なんだから。
最悪
本当に最悪だ。
研磨にこんな性格がバレたのが。
嫌われたくない。
まだ、彼と一緒にいたい。
いや、イヤ、嫌、いや!!
誰にも言えない秘密
私には実は誰にも言えない秘密があるの。
研磨にもてっちゃんにも言えないことなの。
実は、私過去に暴力振るったことがあるの。
正当防衛ではあったんだけどね笑
一方的に私が絡まれて、関わらないようにしてたんだけど、その反応が気に入らなかったんだろうね。
今度は殴ったり、蹴ったりしてきたの。
流石にこのままじゃ死んじゃうって思ったから殴ったの。
そうしたら、思ったより強い力で殴ってしまったみたいで相手に怪我を負わせてしまったの。
私、その時パニックになっちゃって笑
混乱してとにかくその場から逃げて、親に言ってなんとか今、君達と一緒にいるの。
…嫌でしょ?こんな暴力的な女。
⑪あなたは『福』を『招』く招き猫に思えます。
それに、笑いセンスもあって人々を笑わせてくれる…そんなあなた。
…出会った頃から大好きでした。
「福永招平」
⑫あなたは、『木兎(ミミズク)』のような大きな体を持ち、周りに『光』をもたらすような人ですね。
…こんな私にも明るく接してくださったあなたへ。
これからも、誰かに光を照らし続けるあなたが幸せに生きられますように。
「木兎光太郎」
⑬「北」キツネのように冷たい道も、険しい道も淡々と歩いてきたあなたはすごく素敵です。
それに、人のこともよく見ている方でしょう?
他人にも自分にも厳しいが故に言葉がきついと周りが感じることもあるかもしれません。
それでも、そのような真っ直ぐな言葉を投げかけてくださるのは自分にいる身の回りの人間に対して、「お前ならちゃんとできる」と『信』じているからでしょう。
そんなあなたに私は尊敬しています。
「北信介」
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(※内容がここから変わります)
狭い部屋
狭い部屋で研磨と2人っきり。
猫のような吊り目で見つめられるのは…正直、恥ずかしい。
でも、あなたの瞳がとても綺麗でドキドキしながら見惚れてしまった。
少し時間が経った頃、彼が私を見つめるのをやめ、そっぽを向いた。
何故?と思ったがすぐに分かった。
…少し長めの髪の隙間から彼の耳がとても赤くなっているのが何よりの証拠だ。