3/31/2024, 10:21:46 AM
私は、私の世界で一番不幸な魂だったと思う。
だって、世界には私しかいないし。
全ての“一番”は、私なの。
一番不幸な私を、反転させたのは、君だ。
ちゃんと、最期まで面倒見るように。
3/30/2024, 10:08:58 AM
実際のところ、恋人のことは閉じ込めてしまいたいと思ってる。
誰にも見せない。聞かせない。触れさせない。
そう出来たらいいのにな。
「なあ、もし、俺が…………」
「うん?」
焦げ茶色のタレ目が、俺を見つめる。
「……手料理作ってほしいって言ったら、どうする?」
言葉は、別方向に舵を切った。
「レモンシャーベットじゃダメ?」
「いいぜ、それでも」
すっと手を伸ばすと、掴んでくれる手は冷たい。その温度に安心した。
3/29/2024, 10:12:15 AM
私は、恋人と結婚した。
たまたま、身体が男女だったから。
ゆるせないよね。こんな国。
「なんだよ。暗い顔して」
「あー……ごめんね…………」
「マリッジブルー?」
「そうだといいね」
女・妻・母。その全ての型に嵌まるつもりはない。彼も、私にそんな役割を押し付ける気はないだろう。
「これからも、よろしく」
「ああ、もちろん」
君となら、この先も、きっと大丈夫。
3/28/2024, 10:07:52 AM
糖蜜みたいな焦げ茶色の瞳に捕まった。
溺れる蜜蜂の気分。
「どうかしたか?」
「ぬばたまの夜みたいな目」
「ぬば……?」
「君の目、夜闇みたいで好きだよ」
「そりゃ、どうも」
あんたも、俺の瞳に捕まってたらいいのに。
3/27/2024, 10:20:10 AM
俺とあの人は、お互いが、相手の心臓を握り潰せる関係だ。
俺は、あの人の血を流すガラス細工の心臓を、撃ち抜ける。
あの人は、俺の心臓を飢えさせ、殺すことが出来る。
でも、しない。なんの因果か、お互いに恋愛感情があるから。
平和なもんだ。