10/28/2023, 10:05:52 AM
美しい月を見た。
最初は、ただ、月に恋い焦がれているだけだったのだが。
男は、段々と月を消してしまいたいと考えるようになった。
月よ、永遠であれ。月よ、消えてしまえ。
相反する願いを抱き、男は苦しんだ。
苦しみの果てには、月からの祝福があるのだが、男はまだ知らない。
10/27/2023, 10:31:48 AM
その部屋は、いつも、いい匂いがした。
白衣を着た部屋の主は、デスク前に座っている。
オレは、彼女に罪を告白するみたいに話した。
この人は、ただそれを聞く。過不足なく、クライアントに関わる。
オレは、いつになったら、過去を乗り越えられるんだろう?
10/26/2023, 10:07:28 AM
多弁になる癖は、もう直ったんだけどな。
煙草を持つ指とか。助手席にオレを乗せてる時の、急ブレーキ踏んだおまえの左手とか。相合い傘をした後の片方だけ濡れてる肩とか。全部が好きだよって言いたくて。
本当に言ってみても、おまえは照れ臭そうに笑うだけだった。
話したいことだけ、話していいんだ。
オレの口は、おまえに想いを伝えるためにある。
10/25/2023, 10:26:10 AM
しょうがねぇ奴だよな。
強いけどよ。アイツは。バカだよ。
だから、救われる。
適材適所だよな、人間。そう思える。
なんだよ。
ああ、そうだな。オレとアイツは、そういう仲だな。
10/24/2023, 10:18:37 AM
言えるワケないだろ。
そういう仕事だ。仕方ない。
でも、おまえにまで置いて行かれたら、オレは耐えられない。
最悪を考えてどうする。
オレは、ただ自分の仕事に向かった。