10/18/2023, 10:10:25 AM
たまには、外で読書しようぜ。という話になった。
公園のベンチに並んで座り、哲学書を読む。おまえは、いつも通りに推理小説を広げている。
爽やかな風と静寂が、ふたりを包む。
どこからか、金木犀の香りがしてきて。不意に、オレは去年のことを思い出してしまった。
去年の秋は、ひとりでこうしていたんだ。
今年は、おまえが隣にいる。
来年も、その先も、おまえがいる。
10/17/2023, 10:13:55 AM
故郷を去る前に見た君の顔が、頭から消えない。
なにか言いたそうで、どこか寂しそうで。
オレと君って、ほぼ無関係じゃん?
そんなオレに、どうして、あんな表情を見せたんだ?
それに、オレはなんで、こんなに君のことが好きなんだろう?
10/16/2023, 10:06:49 AM
教会の天窓から、陽光が射し込んでいる。
ひとりの男は、長椅子に座り、祈りを捧げていた。
どうか、両親を返してください。
オレは、どうなってもいいから。
家族の中で、欠けてもいいのは自分だけだったのに。
男は、自身を落伍者だと思っていた。
それを否定してくれる光に出会うまで、あと…………。
10/15/2023, 10:12:54 AM
射抜くような視線が刺さる。
「オレが悪かった……です…………」
自分を粗末に扱うと、恋人はすぐに叱ってきた。
愛されてるな、と思う。
おまえを好きな気持ちと、おまえを愛する気持ち。両方、オレの真実だ。
いつも、宝石のように抱き締めている。
ごめん。もう徹夜しないって。
10/14/2023, 10:08:53 AM
いつか地に墜ちることを考えずに飛ぶことが出来るようになったのは、最近のことだ。
ふたりでいられるなら、オレは大丈夫。
もう、掴んだこの手を離さないから。
オレは、逃げない。おまえが真実を見付けるのを手伝うよ。