たまには、外で読書しようぜ。という話になった。 公園のベンチに並んで座り、哲学書を読む。おまえは、いつも通りに推理小説を広げている。 爽やかな風と静寂が、ふたりを包む。 どこからか、金木犀の香りがしてきて。不意に、オレは去年のことを思い出してしまった。 去年の秋は、ひとりでこうしていたんだ。 今年は、おまえが隣にいる。 来年も、その先も、おまえがいる。
10/18/2023, 10:10:25 AM