9/18/2023, 10:15:29 AM
全部投げ出して、遠くへ来た。
寒空の下で、丘から見る景色は美しかったけど、ここにはおまえがいない。
見せてやりたい。叶わないけど。
おまえは、そこから逃げないだろうから。
さよなら。いつか、心の整理がついたら、おまえの元に帰るよ。
その時は、思いっきり殴ればいい。
9/17/2023, 10:07:32 AM
ひまわり畑の中に消えそうな奴。俺の恋人。
大丈夫、大丈夫って言いながら、溺れそうな男。
信用出来ない語り手のおまえ。信頼はしている。
最近は、「愛してる」の花束を渡して、笑うおまえ。
その花束で、そのうち花畑が出来そうだ。
9/16/2023, 10:05:50 AM
雨粒が頬に当たって、不快になった。
雨は嫌いだ。頭が痛い。
透明なビニール傘を差して、家へと急ぐ。
やがて、ザーザー降ってきた雨は、オレの日常を奪った音に似ていた。
進路変更。おまえに会いたい。
9/15/2023, 10:18:35 AM
死人からメッセージが届くようになった。日に一度、零時きっかりに。
『よう、元気か?』
何かの間違いか、あるいは自分の妄想かとも思ったが、違うらしい。
『元気だ』
『おまえよりはな』
そんな軽口を叩いてみた。
次の日、返信が届く。
『そりゃ、よかった』
『もっとメッセージ寄越せよ』
寂しいだろ。
翌日の返事は、『死者の世界の決まりから、仕方ないんだよ』だった。
この奇妙なやり取りを、いつまで続けられるのか? 怖くて訊けなかった。
9/14/2023, 10:06:36 AM
死ぬ時まで、燃えている。この情念のようなものは、ずっと煙を吐いている。
煙があるということは、火元があるということ。男の本質は、炎だった。決して消えない炎だった。
燃え盛る男は、ひとりでいる。ずっと、そうだと思っていた。
しかし、炎に包まれると知りながら、男を抱き締めてくれた者がいる。
だから、死ぬ時まで、おまえの隣で燃えている。