スナエ

Open App
9/8/2023, 10:05:05 AM

 生きてるのか不安になって、おまえの胸に頭をつける。
 とくとくとくとく。心臓が鳴っていた。
 眠っているだけ。それだけ。
 でも、前に眠ったまま目覚めなくなりそうなことが起きたから、心配してしまう。
 睡眠薬をオーバードーズし、倒れていたおまえを発見したのは俺だ。
 愛してるから、置いて行かないでくれ。

9/7/2023, 10:07:15 AM

「好き」を肯定されたから、跳び跳ねて喜んだ。
 この祟りみたいな想いを、持っていてもいいんだ。捨てなくてもいいんだ。
 たったそれだけで、天にも昇れる気になった。
 手の中にあるボイスレコーダーを眺めて、ニヤリと笑った。

9/6/2023, 10:10:00 AM

 小夜啼鳥が鳴いている。
「ごめんなさい…………」
 隣で眠る恋人は、謝り、涙を流した。
 その涙を親指で拭い、頭を撫でてやる。
「おまえは、悪くない」と囁いた。
 救いたい。全ての敵を遠ざけてやりたい。
 おまえの心に潜れるなら、そうするのに。

9/5/2023, 10:05:23 AM

 貝のように黙っていられたら、よかったのに。
 お喋りな貝の中身は、空っぽ。
 オレは、虚ろな脱け殻。
 空虚な言葉を吐き続ける。全てを煙に巻き続ける。
 でも、おまえは名探偵だから、オレの真実に気付いてしまうんだ。
 だから、本当に大嫌いだったよ。

9/4/2023, 10:05:10 AM

 この世界は、いつからこんなにキラキラしていただろうか?
 オレの世界は、モノクロで、薄暗いものだったはずなんだけどな。
 壊された世界を、ふたりで直してきた。少しずつ。かつてとは違う輝きになったここは、大切な居場所。
 オレの居場所は、あの狭い部屋だけじゃなくなったんだ。

Next