いつも間違いばかり選んできた。
でも、“外”に出たことは、オレの選んだ最高の選択肢だったよ。
じゃなきゃ、おまえと出会えてない。仲良くなんてなれてない。
きっと、オレはこれからも間違えるんだろうけど。おまえに迷惑かけるんだろうけど。
おまえが、ゆるしてくれるなら、傍にいたい。
蝶よ花よと育てられて、18年。
あたしは、好きな人が出来た。
歳上で、カッコよくて、優しくて、面倒見がいい人。
あなたのことが、大好きです。
甘えちゃっていいですか? 頼ってもいいですか? たまには、困らせていいですか?
あたしは、あなたに救われたいけど。でも、そんな女は存在しないの。
いつか、“お別れ”がくること。分かってたはずだろ?
それが、今日だっただけ。
さよならは言わなかった。ただ、「愛してる」とだけ、嘘をついた。おまえにつく、最初で最後の嘘。
生涯、オレのことを引きずってくれなきゃ嫌だ。死に際に、オレを思い出してくれなきゃ嫌だ。
オレの祟る恋は、綺麗な巻く引きなんて迎えられるワケないんだよ。
太陽は嫌いだ。容赦なく、オレの居場所をなくそうとするから。
そんな日陰者のオレが恋した相手は、月のように優しいおまえだった。
それでも、時々は眩しくて、消えてほしいと思う、身勝手なオレ。
ごめんなさい。恋して、ごめん。祟って、ごめん。呪って、ごめん。
別に、ゆるさなくてよかったんだよ。
鐘の音が聴こえる。
処刑の時間を知らせるものだ。
オレの罪は、なんだったっけ? 嘘つき以外の何かだろうけど。
ああ、そうか。おまえの全てを食らい尽くそうとしたことが罪なんだった。
処刑台に引っ立てられ、処刑人が、大きな斧を振り被る。
厄介者がいなくなるというのに、ここから見える景色の中のおまえが泣いていて、疑問に思った。