スナエ

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6/20/2023, 10:04:42 AM

 私は特別にはなれない。あなたのせいで。
 彼の恋人。私の恋敵。
 いくら泥仕合を繰り広げたところで、運命は私を選ばないだろう。
 それでも、これは、私が死ぬか、あなたが死ぬかの闘いだ。
 負けたくない! 生きたい!
 でも、ダメだったね。
 私の首を絞める腕が、震えている。
 愚かな子。

6/19/2023, 10:07:01 AM

 人がふたり。傘はひとつ。
「入れよ」と言われて、おとなしく傘に入った。
 歩調を合わせて歩く。
「…………」
 いつもなら。いつもなら、そう。オレがペラペラ喋るんだけど。
 なんでか、何も言えないでいる。
 そのまま、オレの家に着いて、ようやく口を開いた。
「上がってけ」と。
 素直に提案を呑むおまえの右肩が濡れていて、オレは、堪らない気持ちになった。

6/18/2023, 10:05:48 AM

 どこまでも落ちていく。深く、深く。暗い、暗いところへ。
 おまえがいない。近くにいない。隣にいない。傍にいない。
 どこにいるかも分からない。
「置いて行かないで…………」
 オレの泣き言も聴こえるはずがない。
 光を奪われた世界には、一筋も灯りがないんだ。
 ひとりじゃ立てないよ。助けてよ。
 おまえがいないと、オレは…………。

6/17/2023, 10:09:31 AM

 未来予知? 可能性の分岐? なんだか知らないが、おまえにはオレの死が視えてたんだろ?
 オレは、殺されるはずだったんだろ?!
 どうして死なせてくれなかったんだよ。
 アイツが拐われた、こんな現実にいるくらいなら、死んだ方がマシだ。
 何もかもが、呪わしい。
 オレは、また取り残されたのか。
 目先の絶望で、人は死ねるんだぜ。

6/16/2023, 10:21:38 AM

 一年前は、こんなことになるとは思ってなかった。
 これは、永劫の片想いだと思っていたから。
 なんで、こんなろくでなしの手を取った?

“おまえが、俺じゃないから”

 そう答えられたことを、昨日のことのように覚えている。
 哲学的だ。それは、オレの領分だろうが。
 全然違うふたりは、今日も一緒にいる。

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