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6/10/2025, 10:04:31 PM

美しい薔薇には刺がある。
棘も含め美しい。

6/10/2025, 8:41:35 AM

「どうしてこの世界は、こんなにも汚いのかな。」
学校帰り、田んぼの脇の細い道を、自転車を押しながら胡桃(くるみ)がつぶやいた。

妬み、屈辱、強欲、承認欲求、独占欲、執着、憎悪___
この世界は、あまりにも気持ち悪すぎる。

それを聞いた幼なじみの凪咲(なぎさ)が、少し笑ってこう言った。
「人間はね、世の中の“仕組みを知りすぎたんだよ。」

「仕組みって?」
胡桃が首をかしげる。

「例えばさ、どうすればみんなに注目されるか、どうすればお金が稼げるか、どうすればあの子に勝てるか、どうすれば権力を持てるか.......
それって全部、“自分が満足する人生”を送るための計算だよね。その答えを、みんなもう知っちゃってるんだ。」
「知りすぎた、ってこと?」
「うん。たとえば、"目立ちたい”と思ったとき、どうすればいいか。
運動神経がずば抜けてるとか、めっちゃイケメンとか、面白いとか、
"こういう人が注目される”って、みんなもう分かってるの。
その条件に近づこうと必死になる。
だから汚い感情がむき出しになるんだよ。」

胡桃は静かに頷いた。
「たしかに。条件をクリアしないと、“価値がない”みたいに扱われるもんね。」
「そう。だからこそ、みんな自分のことばっかり考えて、誰かと関わるときも、“目的”がなきゃ関わらない。」

「ほんと、生きづらい世の中だよね。」
「うん。」
凪咲は遠くを見つめていた。
その目には、もう希望なんて残っていないようだった。
この世界は、汚れている。
泥水よりも、ずっと濁っていて、醜い。
人との関わりさえ、打算でできている。
誰かの視線の奥にはいつも「自分のため」が見える。
結局、みんな自分のことしか考えていない。
そんな世界に失望しながら、それでも私は、今日も必死に生きている。

6/8/2025, 5:32:06 PM

私は、君と歩いたこの道を忘れることができない。

6/6/2025, 11:44:22 AM

さあ行こう
勇気をだして、一歩踏み出してみて
大丈夫
わたしもいっしょにいるよ
ふたりで行こう
前に進むだけでいいの
少しずつ 少しずつ

そうしたら、本当のじぶんになれるから

6/5/2025, 12:38:43 PM

水たまりに映ったのは

しっかりやっているつもりなのに、私はいつも間違えてばかり。言われた事もこなせず、信頼がどんどん失われるばかり。
周りからの軽蔑の目。みんなできているのに、私はそれができなかった。

今日も失敗。何故こうも生きるのが下手なのかと自分自身を責め続けた。
涙が出た。1回泣き出すと止まらなかった。いっそ、身体中の水分が涙になって外へ出てしまえばいいと思った。

こういう日は、近所にある神社の木の長椅子に座り心を落ち着かせる。この神社は人が滅多に来なくて小さい頃からお気に入りだった、私の一番好きな場所。
ふと、下を見た。そこにはさっきまで降っていた雨で作られた水たまりがあった。

空が映った。神社の木が映った。私が映った。
どれも本物だけど、本物じゃないみたい。
もう1つの空。もう1つの木、そしてもう1人の私。

水たまりに映る空は、虚構の世界のようだった。

灰色で、静かで、水たまりの向こうの世界には、人の気配がしなかった。

「私も、そっちの世界に行きたい。」

もう1人の私に話しかけた。
向こうの私は微笑み、安心したような顔をしていた。

いつでも来ていいよ。と言っているみたいな表情で。


それは苦痛から解放されると共に、恐怖でもあった。

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