偏差値52の高校に250点で入学した女子高生Y
校内ビリから学年20位を目指している。
そして、中学でもやっていたテニスを高校でも頑張る事に決めた。
強豪校なのでうちの高校は部活動が強い。
テニスの実力は勉強同様、部内でビリだ。
勉強と部活動を両立するのは難しい。
今まではどちらかだけ頑張ることしかできなかった。
全て中途半端になってしまい、思い通りにはいかなかった。
だがYは変わろうとしていた。
勉強も部活動も全部頑張りたい。
それぞれの目標がある。
そんな目標を追いかけてて日々努力していく。
これはまだ続く物語
女子高生Y 、私のお話
さらさら書ける SARASA (ボールペン)
これで最後にしよう。
私は、看護師を目指す。
目標から目を逸らしてずっとスマホに逃げていた。
どうせやってもできない。
勉強は苦しいだけ。
勉強してる暇があったら友達と遊べる。
周りの子は皆勉強してなくて青春してる。
本当にしょうもない言い訳をしていた。
毎日怒って、泣いて、泣き崩れて
でもやっぱり、勉強がしたかった。
いい点が取れないと悔しかった。
自分が社会に貢献できる人になりたいと思った。
知識がある人はかっこよかった。
人を助ける看護師という職業に出会い、憧れた。
強く、なりたいと思った。
勉強するにはスマホがとても邪魔だった。
触りたいわけでは無いのに触ってしまう癖。
離れられずに画面を眺めていた夜の2時。
でも今、私は本気で看護師になりたいと思っている。
そのためには、邪魔なものは全て目の前から遠ざけなければいけなかった。
私はいつもお参りしている神社でスマホを辞められますように。とお祈りしてから、バンッと何回も床にぶつけた。ヒビ割れたガラスがキラキラして画面は虹色になっていた。
何も無くなった。けどこれでいい。
スマホがなければ家族や友達とも連絡が取れないし、今の流行りの音楽も、ダンスも、服も分からない。
だから、家からは出ないし、服にかけるお金もかからないし、流行りが分からないから友達と話しが合わなくなって、目の前から友達が遠ざかる。
そうすれば私の周りには何もなくなる。
ああ、やっと全部消えた。そんな気がした。
これで最後。
これで勉強、ちゃんと出来るよね
静かに響く優しい雨音を聴きながら、
今日も私 雨を降らす。
外では優しい音がするのに
どうしてこんなにも私の雨音は悲しい音で降るの。
1分でも早く この雨が病みますように。
「歌」
まだ人と精霊が共に生きていた時代。
深い山の奥に、一輪だけ咲く真紅の椿の花がありました。その椿は春になっても散ることなく、百年、千年と咲き続ける不思議な花でした。人々はそれを「千年椿」と呼び、恐れ敬っていました。
その椿には、ひとりの美しい精霊が宿っていました。彼女の名は椿姫(つばきひめ)。長い黒髪、白い肌、真紅の唇。彼女は椿の命そのものであり、山の守り神でもありました。
ある年の春、都から若い武士が山に迷い込みます。彼は戦で心を病み、命を絶とうとさまよっていたのです。椿姫はそんな彼を見つけ、そっと助けました。
「なぜ命を捨てようとするのですか?」
「守るべき者も、帰る場所も、もうないのです。」
椿姫はそんな武士に毎日歌を歌い、静かな時間を与えました。やがて武士の心は癒され、彼は再び生きる理由を見つけました。そして椿姫に恋をします。
「お前と共に生きたい。」
武士がそう言うと椿姫はふんわり微笑み、そっと頬に口付けをしました。
歌は力になる。
愛する人を癒やし、
悲しみを洗い流し、
未来へとつなぐ道になる。
椿姫は、歌うことで“生き続ける”ことを選んだ。
彼女が歌うたび、紅い椿が咲く。
どんなに雪が降ろうと、春が遠くても、
その声だけは、誰かの胸にそっと灯り続けた。
やがてその歌は、人々の間でこう呼ばれた。
——「千年の詩姫(うたひめ)」と。