落下
落ちた先に受け止めてくれる誰かが居るなら、きっと恐怖を押しのけて飛んでいける。
日々家
未来
僕らの未来に、まだ灯りは残っていますか。
日々家
1年前
1年前の願いは、きっとまた今年の願いになる。
日々家
好きな本
居場所が無い時、図書室に逃げた。
あの場所は誰でも居て良い静かな空気があった。みんな本を選ぶ事や読むのに夢中で、良い意味で誰も他人がどうとか気にしていなかったからだ。
それに、本を読み始めれば私は何処にだって行けた。ページをめくるたびに、私の心は救われた。
私は世界を広げてくれる本が好きだ。そして物語を紡ぐ人達に感謝したい。
ありがとう、貴方にも私は救われた。
日々家
あいまいな空
「先生、僕はどうにもはっきりしない天気が苦手なんですよ」
教室の窓から晴れとも曇りとも言い難い空を見ながら僕は隣に立つ先生に言う。
先生は眼鏡の奥にある目を細めて口元をゆるめる。
「そうかあ。まあ、苦手なもんがあっても良いだろう」
先生にそう言われると心の奥で固まっていた何かがゆっくり溶けていく感覚がした。個人の意見など無いものとして扱い、“こうでなくてはならない”そんな誰かからしつこく聞かされた言葉を先生は口にしない。
さすがに道徳に反する事は許しはしないが、先生はいつだって僕達を見てくれた。
「ちなみに一番好きな天気はなんだい?」
先生の問いに僕は少し間を空ける。
「……雨が好きです。特にしとしと降る雨が。世界が一番静かで穏やかな空気に包まれている気がするから」
僕の言葉に先生は目を開いてから視線を空からこちらに向けた。
「月見里(やまなし)くん、君の言葉の表現が私は好きだなあ。今ので雨の日を楽しめるキッカケが出来たよ。うん、いいねえ。確かに言われてみると雨の日は君の言葉の通りだ」
先生は小さな事すら認めてくれる。
だから、僕はダラダラと放課後こうして先生と話をしてしまうんだろう。
日々家