太陽のような
明るくたくさんの人達を照らす貴方は、私とは真逆で眩しすぎる。
この目が貴方の光で潰れてしまわないように、少しだけ目を逸らすのを許して。
日々家
0からの
評価は皆等しく、最初は0からのスタートだ。
さて、この目に映ったのは作品と数字どちらが先だっただろうか。私の中の好きは、私が私の基準でまだしっかりと見つめられているだろうか。
多くの中で、胸に刺さる作品を見つけた時の感動を忘れていないだろうか。
私は知らない間に、数字に囚われすぎてしまった。
もしかしたら、今を生きる多くの人は、私と同じ悩みを抱えているのかもしれない。
――この長く暗い出口が見えないトンネルの中を彷徨うような感情を、いつか抜けられる日が来るのをただ心から願う。
日々家
同情
連ねた文字がじわりと滲み、形を無くして溶けていくように、今の貴方に私の言葉は届かない。
「同情しないで」そう言いながら泣き喚く貴方にかける言葉が、もうどこにも見当たらない。
日々家
▼余談
同情、なんて難しい言葉だろう。人によっては毒にも薬にもなるから余計にそう感じる。
それでも、かけられた言葉を全て否定したら最後には何が残るんだろうか。
どんな言葉も今必要無いのなら、口をつぐむしかない。問いかけてはいけない。きっと、相手から望む答えは出ないから。そう思った。
私自身がまたドン底に落ちた時、自分の中で消化が終わるまでそうした方が良いのだろう。
枯葉
空が青く澄み渡る早朝、吐く息はわずかに白い。
何気なく寄った公園は、赤みを帯びた枯葉で辺り一面を覆い尽くされている。
それはまるで、夕焼けが足元に降り落ちてきたようだった。
朝と夕が交わる瞬間に、私は立ち会えた気がした。
日々家
今日にさよなら
肌に纏わりつく空気、いつもより多い人の波。そして、遠くから届く屋台の光と香りが特別な空間を作り出していた。
着慣れない浴衣に歩きなれない下駄なんか履いて夕焼けが落ちる手前に、私達ははぐれないように手を繋いで歩きだす。
ガヤガヤと騒がしい中、ひとつ大きな音が体の奥まで響き渡った。「おっ、始まった!」そう言って貴方は私を見て笑う。その顔は、何色もの色に彩られていく。とても眩しくて思わず繋いだ手を少しだけ強く握った。
夜空に開いては光の粒になっていく大輪の花のように、今日という日は一瞬のように終わっていく。
私達はあとどれくらい同じ日々を過ごせるのだろうか。せめて綺麗な記憶のまま、終わりがきてほしい。
けれど、わがままを言えば、変わらずこのまま傍に居てほしい。
――今はただ幸せだけを感じて、今日という日にさよならを告げよう。
日々家