Fawn

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11/15/2022, 8:43:56 AM

17時になる少し前。

夕方が早まって
同じ一日でも短いような
寂しい気持ちになる。

長く伸びる影と
一緒に歩きながら
冬を思う。
また1年が終わろうとしている。
予定がいっぱいあるわけでもないのに
なんとなくそわそわしてしまう。

肌寒さを感じて空を見上げる。
帰ったらコーヒーでも入れて一息つこう。
そろそろ始まる冬支度に
わくわくしながら。


-秋風-

11/14/2022, 11:50:18 AM

青白い月がこちらを見ている。

いつも通りに眠りに就いたのに
なぜか目覚めてしまった午前3時。

なんとかもう一度眠ろうと目を閉じるけれど、
休息は訪れる様子もない。

諦めて起き上がる。
カーテンを開けると月の光が眩しい。

ねぇ、月は寂しくないの?
暗い夜にたったひとり。

そうでもないよ。
あなたのように眠れない夜を過ごす人が居るからね。
そんな人たちをそっと照らして
時にはこうやって話をして。

そっか。
それなら寂しくないね。

そうだよ。
だからあなたもひとりじゃない。
訳もなくどうしようもなく寂しくなったら
月が居る事を思い出して。
朝が来て一日が始まったら
ちゃんと夜が来るからね。


-また会いましょう-

11/13/2022, 5:11:13 AM

生か死か。
私たちはそういう運命だったのだ。

生まれや生き方など何も知らずに
共に過ごしたあの幼き日々から。

最初から敵として出会えていたら
どんなに良かっただろう?
友として出会わなければ
どんなに楽だっただろう?

今向かい合って差し出すものが
刃ではなくお互いの手であれば
私はお前の手を握り
しっかりと抱きしめるだろう。

次に動けば全てが決まる。
静寂。
滲む汗。

互いの思いを殺し、
同じ刹那、踏み出した。


-スリル-

11/11/2022, 10:11:34 PM

雲ひとつない青空。
冬のピンと張りつめた空気の中を歩くのが好きだ。

朝の冷たくて新しい空気を吸い込むと
身体の中がきれいに生まれ変わるみたい。

新しくなった身体で毎朝願う。

今日こそは前に 進めますように。
思い出から離れられますように。
あなたを忘れられますように。

そうやってまた
同じ朝を繰り返している。


-飛べない翼-

11/10/2022, 9:37:07 AM

暗い。
真っ暗闇だ。

音も聞こえない。
誰もいない。

ただ。

延々と繰り返される光景に
胸を締め付けられるだけ。

それまで見た事がなかった
幼さの残る素直な笑顔。

絶対に失いたくない。
そう思ったのに。

今はただ。

切り取られたその瞬間に
囚われて苦しめられるだけ。


-脳裏-

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