Fawn

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10/30/2022, 5:22:56 AM

鏡をそっと覗いてごらん。
瞳に映ったそのまた向こう。
そこにいるのはほんとのあなた?

ガラスの中を覗いてごらん。
光に透かしたそのまた向こう。
そこにいるのはほんとの私?

世界の狭間を覗いてごらん。
時間を跨いだそのまた向こう。
そこにいたのはあなたと私。

こちらにいるのは、
本当の?


-もう1つの物語-

10/28/2022, 8:57:59 PM

夜中と夜明けの間。

吸い込まれるような静けさ。

落ちて落ちて。

闇に安らぐ。

目の端の薄明かり。

安堵してまた眠る。

深く深く。
深く。


-暗がりの中で-

10/27/2022, 1:15:09 PM

冬の午後2時。
何の予定もないひとりの休日にも慣れてきた。
なんて嘘。苦笑い。

手袋せずに出てきたから手が冷たい。
そっか、自分のポッケに入れなきゃ。
苦笑い。

ふらっと立ち寄ったカフェでひと休みしよう。
ケーキセット。
こっちもいいな。これもいいな。
一口ちょうだいはもうできないのか。
苦笑い。

運ばれてきたガラスのポット。
その中で茶葉が舞うのを眺めながら
また苦笑い。

もう一緒には生きられないのに
頭では分かっているのに
いつになったら忘れられるのかな。


-紅茶の香り-

10/27/2022, 12:11:01 AM

赤い球体がふたつ。

こんにちは。僕、赤いマル。
こんにちは。私は赤いマルです。

僕、黄色い音楽が好きなんだ。
わぁ、私も好き。

私はオレンジ色の話をよく読むの。
それもいいね。僕は青系かな。
そっち系かぁ、今度読んでみようかな。

僕、君の事が好きだな。
私もあなたが好き。

赤い球体がふたつ。

いつの間にかひとつになって
赤いハートになっていた。


-愛言葉-

10/25/2022, 10:28:08 PM

あなたと初めて会ってからもう15年。

肩から掛けたポーチに入りそうなくらい
小さな赤ちゃんだったあなたも
今ではボストンバッグには入らないぐらい
大きくなってすっかりおばあちゃん。

茶色のモフモフなあなたは
いつも私の冷えた足の上で寝そべって温めてくれる。

もう耳も聞こえてないし
立ち上がれば後ろ足がプルプルしてるけど
それでも毎日元気に散歩して
帰ってくれば部屋を走り回る。

あなたが小さい頃から
元気で長生きしてね、と言い続けてきたから
あなたはずっとその約束を守ってくれている。

ありがとう。ずっと一緒にいるからね。


-友達-

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