言い訳して言い訳して言い訳して
自分で自分の退路を塞いで
私は結局、何処に行きたいのだろう
気づいたら
もう道は、ひとつしか残されていなかった
どうせなら、と
首に手をかけた
さあ、諸君
大っぴらに嘘をつこう
大手を振って馬鹿になろう
この日につく嘘が
いっとう楽しいのだ
「ちょっとしたお遊び」の
あからさまな嘘が
朗らかに騙される人々が
なに、こんな日じゃなくても
この世界は嘘に塗れている
気づかないほど乱暴で
暗黙のうちに流される
陰鬱な人間の性
それが社会の形
さあさ、今日ぐらい
たったひとことの
明るい嘘をつこうじゃないか
道化師たちよ
お前たちにも心から笑う権利はあるさ
違う世界線の私へ
あなたと同じ過去だけど
あなたは私が欲しかったもの
全部与えてもらったね
羨ましいわ
けれど、それでいいの
さあ
いっておいで
あなただけは
どうか幸せに
夜遅く
暗い部屋の青白い光の先
私の声が部屋に響く
みんなの声は私の耳に直接届く
だべる
だまる
だべる
だまる
静かに進む時計の針
いつのまにやら
あいつの声が聞こえない
またあいつがいちばんか、と笑う
そうしてぽつぽつみんな
夢の世界へ
明日のために
わたしだけは
いつも最後まで
みんなの寝顔を見届けてなお
わたしは眠れずに
愛おしい時間の名残に立ち尽くす
ああ
この何気ない時間は
いつまでも、続かないんでしょう?
みんなは気づかない
徐々に、私のヘッドホンから聞こえる声が
遠くなって
ノイズが混じるようになり
遅れて聞こえるようになってきたことを
私の声も
いつか届かなくなる
朝日が昇る気配
まだ、やめて
延長料金をやまほどツケて
わたしはまだ、ここに居座っている
みんなには何気ないもの
私にとって
その呼吸のつくる1秒1秒は
ダイヤよりも価値がある
それでもプラスチックを扱うように
笑って時を消費する
何気ないものだというふりをする
みんなは忙しいから
そう長く味わっていられもしないのでしょう
あした、またここへ来た時
電波の波長は合うのでしょうか
みんなの住む青い地球が
地平線に消えていった
あなたは逃げた
自分の罪から
あなたは何もしなかった
何もしなかったことが罪だ
動けなかった
頭の中を支配する重苦しい思考
怒号 慟哭 逃れたくて
酒を薬を
一瞬でもシラフになれば聞こえてくる
彼を嘲笑うベルの音が
あなたの想像は、やがて真っ白になる
そして逃げ続けた先で
あなたはやり直す機会を得た
目の前にいる人々はあなたの助けを求める
友は、必死に結末を変えようとする
ハッピーエンドへと
進まなくてはならない
あなたは私と違うのだから
さあ、いっておいで
あなたの敵はあなたとあなたの神
その銃の引き金を
思い切り引け