夜遅く
暗い部屋の青白い光の先
私の声が部屋に響く
みんなの声は私の耳に直接届く
だべる
だまる
だべる
だまる
静かに進む時計の針
いつのまにやら
あいつの声が聞こえない
またあいつがいちばんか、と笑う
そうしてぽつぽつみんな
夢の世界へ
明日のために
わたしだけは
いつも最後まで
みんなの寝顔を見届けてなお
わたしは眠れずに
愛おしい時間の名残に立ち尽くす
ああ
この何気ない時間は
いつまでも、続かないんでしょう?
みんなは気づかない
徐々に、私のヘッドホンから聞こえる声が
遠くなって
ノイズが混じるようになり
遅れて聞こえるようになってきたことを
私の声も
いつか届かなくなる
朝日が昇る気配
まだ、やめて
延長料金をやまほどツケて
わたしはまだ、ここに居座っている
みんなには何気ないもの
私にとって
その呼吸のつくる1秒1秒は
ダイヤよりも価値がある
それでもプラスチックを扱うように
笑って時を消費する
何気ないものだというふりをする
みんなは忙しいから
そう長く味わっていられもしないのでしょう
あした、またここへ来た時
電波の波長は合うのでしょうか
みんなの住む青い地球が
地平線に消えていった
3/31/2023, 8:54:11 AM