11/21/2024, 10:39:17 AM
どうしよう。どうすればいい?私、自分のことを自分で決められない。それに気が付いたのは、抑制された村から飛び出した後だった。
反抗なんて許されない環境だったのもあるけれど、何でも人に言われるがまま生きてきた。そんな自分のことが嫌いだった。だから、村から飛び出した。
なのに、だめだった。与えられるものをそのまま受け取っていた私には、外は選択肢が多すぎる。
それらすべてを一人で選べない。自分の責任で、手に取るのが恐ろしい。
「どうすればいいの……」
11/20/2024, 1:25:03 PM
『たからもの』と拙い私の字で書かれている古いクッキー缶を開ける。当時買った雑誌の付録やちゃちな作りの指輪にネックレス、友達からの手紙なんかが入っている。懐かしいものばかりだ。
今『たからもの』とかかれた、からっぽのクッキー缶が目の前にあったとして、私は何を入れるだろう。考えても、何一つ思い浮かばなかった。
羨ましくて眩しくてたまらなくなって、クッキー缶を閉めた。