お腹が痛い。月一という高頻度でやってくる、生まれた性別を恨む一週間が今月もやってきてしまった。重くて痛いお腹を抑えて、少し前屈みで波が過ぎるのを待つ。
「……どうしたの?」
心配そうに顔を覗き込まれて、慌てて首を振る。
「……お腹痛くて。でも、大丈夫」
「大丈夫な顔色に見えないけど……。薬を飲む?」
目の前のこのひとは、後天的に生まれた性別を除いた無性。除いた理由は知らないし、元々の性別すら知らない。
だからか、こうして性別特有の症状が出た時に、何となく言葉にしづらかった。
「へいき。薬飲む程じゃ、ないから。」
なんでもないフリをして、笑って首を振る。
12/12/2024, 8:23:07 AM