10/16/2024, 11:12:22 AM
やわらかな光
「痛っ…ぃっ…!」
声がした。
弱々しくて、細い声。
そして、
「黙れよっ!」
獣の咆哮のような、荒々しい声。
「何してんの?」
「は?」
そいつは、クラスのリーダー的存在。
女の子を虐めていた。
「なんでそんなことすんの?」
「こいつが。」
「人のカレシ奪うからだよっ!」
ドガッ
「っ…!」
とっさに、殴られた女の子の腕を掴んだ。
「にげるよ!」
「…!」
「は!?おい」
「はっ…はぁ…」
「大丈夫?」
「うん。ありがとう…」
「てか、もう5時…」
「一緒、かえろ?」
「んふ」
「いーよ!」
冬の放課後。
雲のすきまから、
やわらかな光が差し込んでいた。