やわらかな光
「痛っ…ぃっ…!」
声がした。
弱々しくて、細い声。
そして、
「黙れよっ!」
獣の咆哮のような、荒々しい声。
「何してんの?」
「は?」
そいつは、クラスのリーダー的存在。
女の子を虐めていた。
「なんでそんなことすんの?」
「こいつが。」
「人のカレシ奪うからだよっ!」
ドガッ
「っ…!」
とっさに、殴られた女の子の腕を掴んだ。
「にげるよ!」
「…!」
「は!?おい」
「はっ…はぁ…」
「大丈夫?」
「うん。ありがとう…」
「てか、もう5時…」
「一緒、かえろ?」
「んふ」
「いーよ!」
冬の放課後。
雲のすきまから、
やわらかな光が差し込んでいた。
10/16/2024, 11:12:22 AM